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ポップソングの名手にして映画音楽の巨匠――トレヴァー・ラビンを知るための3枚
ディスクガイド/田中亮太

活動休止期間を経て、再始動したイエスの11作目。新加入したラビンはギターのみならず作曲でも貢献。大ヒット曲“Owner Of A Lonely Heart”やエスノな感覚の“Leave It”など名曲が多い。凝りすぎないアレンジや構成がメロディーとハーモニーを引き立てている。

イエスの87年作『Big Generator』で主導権を握ったラビンが、脂の乗った状態で制作したソロ4作目。ドラム以外の楽器を自分で演奏し、大仰なメロディーとパワフルなロック・サウンドに自信が漲る。アフリカン・ポップ調の“Sorrow (Your Heart)”がゴキゲン。

94年にイエスを脱退して以降、映画音楽で活躍してきた彼が、「いちばん誇りに思える作品」として挙げたのは映画「タイタンズを忘れない」のサントラ。勇猛な調べが印象的で、特に“Titans Spirit”はスポーツ番組などで定番化。オバマの勝利演説の際にも使用された。