ベルギーの巨匠、ダルデンヌ兄弟が偽りの移民姉弟の過酷な日々を、愛と友情で劣悪な社会に抵抗する姿をサスペンスで描き、第75回カンヌ国際映画祭で75周年記念大賞を受賞した傑作。これまでも移民を描いているが、本作は難民申請者にフォーカスしている。麻薬組織に利用されドラッグを売りながら、いつか安全に暮らせることを夢みるトリとロキタ。12歳のトリは滞在許可があるが、17歳のロキタは18歳になってビザがないと強制送還されるため、偽造ビザを作るために麻薬組織からより危険な仕事を斡旋される。ロキタの自己犠牲とトリのラストの言葉が観客に強烈な印象を残している。