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楽曲ごとの多彩な表現

 そんなテーマに基づいて作られた新曲群のうち、彼女たちの事務所の先輩にあたる益若つばさが歌詞を提供した“好きだ!”は、恋する乙女心が勢いよく飛び出すポップ・ロック・チューン。同じく甘酸っぱい意匠の“maybe...なんてモード”では、歌い手としても活動するun:cが作詞を手掛けている。

「デビアンはかっこいい曲が多いので、ずっと“好きだ!”みたいなかわいらしく〈好き!〉って歌う曲を歌ってみたかったんです。振り付けにハートが入っていたり、新鮮だけど音にはデビアンっぽさも感じられて。今回のアルバムは楽曲ごとにいろんな声色で歌ったので、デビアンの表現の幅も感じられると思うんですけど、この曲は学園ドラマのエンディングっぽいイメージで歌いました」

「私は歌い手さんが好きだった頃にun:cさんの曲を特によく聴いていたので、“maybe...なんてモード”はすごくテンションが上がりました(笑)。〈先生〉とか〈放課後〉って言葉が出てきて〈学校〉感があるし、ストレートな歌詞になっていて、いままでデビアンが触れてこなかった界隈の人にも刺さる自信があります」

 さらにデビアン作品には欠かせないAILI制作の美メロなバラード“冬ラテ”、あぶらこぶが詞曲を提供したキラキラと衝動的なダンス・ポップ“tobira”もまた、彼女たちの成長を証明してくれる。

くるみ「私は昔に流行っていた曲が好きで、“冬ラテ”はそんな感じがする曲でめっちゃ気に入っています! デモを聴いたときに中島美嘉さんっぽいなと思ったので(プロデューサーに)話したら、その時代のJ-Popの冬の曲をイメージしたって言っていて。失恋ソング的な内容なので、レコーディング前にイメトレして、主人公の気持ちを想像しながら歌いました。落ちサビはいままででいちばん悲しい声を出しているので、ぜひ聴いてほしいです(笑)。あと、1番の最初のパートは私と楓ちゃんが交互に歌うんですけど、歌い出しの〈真っ白な雪が空を舞う〉の楓ちゃんの声が色っぽくていいんですよ。これから失恋ドラマの第1話が始まるみたいな感じで」

侑芽「“tobira”は疾走感があってファンタジーっぽい雰囲気が、夜空の下で走りながら聴くのが似合いそうと思って。夜にランニングしながらデモを聴いて曲を覚えました。ラスサビでグワッと盛り上がるんですけど、そこのあいりちゃんの高音パートが私的にはいちばんの注目ポイントです」