松任谷由実が、チャリティシングル『acacia［アカシア］／春よ、来い（Nina Kraviz Remix）』を2024年5月29日（水）にリリースする。本作の収益は、石川県令和6年能登半島地震災害義援金として石川県に寄付される。
松任谷由実と石川との所縁は72年までさかのぼる。松任谷が無名の時代から才能を認めていた、〈金沢の恩師〉と呼ぶ北陸放送のプロデューサーとの出会いから、プライベートでも幾度となく訪れていた第二の故郷とも言えるのが石川だ。2015年には石川県の観光ブランドプロデューサーに就任し、“いしかわ百万石物語～ひゃくまんさん小唄”の作曲を担当するなど、関係を深めてきた。
松任谷は先日3月16日に、金沢～敦賀駅間が延伸開業した北陸新幹線の小松駅と加賀温泉駅の発車メロディを担当。小松駅の発車メロディは松任谷がリハーサル中に滞在していた小松で航空ショーが開催されていたことからマーチを感じさせるような勇気が湧く曲に、加賀温泉駅の発車メロディは〈加賀〉という響きと〈温泉〉があいまって雅で秘めやかな日本の風情を感じる曲になっている。
松任谷は2年以上前から延伸プロジェクトに参加してきたが、被災地の復興への想いから、延伸開業の当日はプロデューサーでアレンジを担当した松任谷正隆とともに石川を訪れ、小松駅の開業イベントにサプライズ登場し、開業を祝いつつ復興への思いを語った。
また同日から、北陸鉄道浅野川線の栗ヶ先駅～内灘駅間で車内の到着メロディとして2001年に発表した“acacia［アカシア］”が使用され、こちらは栗ヶ先駅を出発して終点・内灘駅までの区間で歌入りの原曲がそのまま放送されている。
“acacia［アカシア］”は2001年にリリースした31作目のオリジナルアルバム『acacia（アケイシャ）』に収録されている曲で、石川県河北郡内灘町に咲く野生のアカシアが群生する風景に感動して作られた。23年前に制作された曲でありながらも、その普遍性から震災の復興への応援歌のようにも聴こえる。
松任谷にはこれまでに神奈川・横浜の風景を題材にした“海を見ていた午後”、兵庫・神戸タワーの風景を題材にした“タワー・サイド・メモリー”、岩手を飛行機から見た景色を題材にした“緑の町に舞い降りて”など、数々のご当地ソングと言われる曲があるが、今回、新たなご当地ソングとしてこれを機に足を運び訪れる人が増えることだろう。
そんな松任谷の〈感動した内灘町の風景から作ったこの楽曲を、改めて届けたい〉という思いから、チャリティシングル『acacia［アカシア］／春よ、来い（Nina Kraviz Remix）』がリリースされることを決定した。
このシングルに収録される“春よ、来い（Nina Kraviz Remix）”は、昨年リリースされた『ユーミン乾杯!!～松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム～』の収録曲。ロシア出身でテクノ界のトップDJであるニーナ・クラヴィッツが、“春よ、来い”を新しい解釈でアンビエントリミックスした曲だ。
松任谷は99、2003、2007年に開催したコンサートシリーズ〈シャングリラ〉でサーカスアーティストを起用し、ロシアとも縁が深い。各地のビッグパーティでレジデンスを務め、〈世界で最も美しいDJ〉と言われるニーナとの奇跡のコラボは、グローバルなアンダーグラウンドシーンで大きな話題になった。テクノが元来持つユニティな世界観が、このシングルの〈人と人の繋がり〉をより強く表現している。
松任谷のコメントは次のとおり。
何十年も前のこと。初めて訪れた能登の海岸で、銀色にかがやく群生のアカシアに心を奪われて、acacia［アカシア］という歌を書いた。芳しい雨が降るようだった。
この地方との不思議な関係が始まった。
わずかな時間を見つけては何度も通い、人に逢った、風景に逢った、文化に逢った。私の大切な部分をかたちづくった。
自分にとってこんな場所は、世界中探してもどこにもない。
チャリティはどこか腑に落ちないところがあって、いままで積極的にはやってこなかった。でも、世の中に受け入れられ、ここまでやって来られたからには、もっと世の中に恩返しすべきと、最近思うようになった。そんな時にこの能登のこと。運命を感じた。
歌とともにこころを寄せる。それは想いを運び、人を癒すと信じる。歌をつくり、届ける人間としての信念でもある。
もしかしたら自分だったかもしれない。その想像力が、人を人にする。この国に生まれたのならなおのこと。
日本のあちこちで、世界の至る所で、ふるさとを無くし悲しみと途方にくれている人々が増え続けている。これからも増えることだろう。
「たとえ世の中がどうなろうとも、他者を思いやる気持ちだけは忘れないように」
もう亡くなってしまった、金沢の恩人の言葉。いまの私のために言ってくれた贈り物のように感じる。
みんな、繋がっている。
令和6年3月31日
松任谷由実
acacia［アカシア］
石川県・内灘町に群生していた、アカシアの花々が書かせてくれた歌。
目に見える姿形はたとえ失われたとしても、心に刻まれたふるさとや大切なひとを、何ものも奪うことは出来ない。
あらためて、被災された方々へ、祈りをこめて。
春よ、来い（Nina Kraviz Remix)
ロシア出身のDJ、ニーナ・クラヴィッツが、この歌に新しい命を吹き込んでくれた。
テクノとはユニティ。ニーナとは、初めて会ったときから、お互い何かが繋がっていた。
それは それは 空を越えて
やがて やがて 迎えに来る
石川で、日本で、世界で「春」を待つ人々へ。
RELEASE INFORMATION
リリース日：2024年5月29日（水）
品番：UPCH-89566
価格：1,320円（税込）
期間限定販売
TRACKLIST
1. acacia［アカシア］
2. 春よ、来い（Nina Kraviz Remix）
■寄付に関して
今作の売り上げから経費を差し引いた全額を、被災地に義援金として寄付させていただきます。
義援金寄付先：石川県（石川県令和6年能登半島地震災害義援金）
https://www.pref.ishikawa.lg.jp/suitou/gienkinr0601.html
リリース日：2024年5月29日（水）
■Blu-ray（2枚組）
品番：UPXH-20137/8
価格：7,700縁（税込）
■DVD（2枚組）
品番：UPBH-20323/4
価格：6,600円（税込）
キャリア史上最大規模となった、デビュー50周年記念コンサートツアー〈The Journey〉。そのツアーの11月の横浜アリーナ公演の模様を映像作品化。巨大な海賊船のステージで繰り広げられる全24曲を、アンコールの“海を見ていた午後”を含め完全収録。また、特典映像として、ツアーの構想から最終日まで、1057日に及ぶ〈The Journey〉の記録ドキュメンタリー「1057 days of "The Journey"」を収録。リハ風景やスタッフの証言、ツアー各地でのユーミンの撮り下ろし映像も収録。
リリース日：2024年6月26日（水）
品番：UPJH-20051/6
価格：33,000円（税込）
アナログ6枚組／レッドヴァイナル仕様／数量限定
CD未収録7曲収録のボーナスディスク含む６枚組。ユーミンの名曲全57曲を、高音質アナログ盤で味わう音楽体験が出来る、音楽ファン必携のアイテム。
PROFILE: 松任谷由実
72年、多摩美術大学在学中に荒井由実としてシングル“返事はいらない”でデビュー。ユーミンの愛称で親しまれ、“ひこうき雲”“やさしさに包まれたなら”“守ってあげたい”“真夏の夜の夢”“Hello, my friend”“春よ、来い”など数々の名曲を生み出す。これまでにオリジナルアルバムを39作品リリース。史上初のアルバム総売上ソロ歌手3,000万枚を突破するなど名実ともに日本を代表する女性アーティストとして活躍を続けている。2022年7月5日にデビュー50周年を迎え、10月4日に『ユーミン万歳!～松任谷由実50周年記念ベストアルバム～』をリリース。オリコン史上初となる6年代首位を獲得。2023年5月からは50周年を記念した自身のキャリア最大の全国アリーナツアー〈50th Anniversary 松任谷由実コンサートツアー「The Journey」〉を開催。追加公演を含め自身最大規模となる全54公演で574,000人を動員。2023年12月20日には『ユーミン乾杯!!～松任谷由実50周年記念コラボベストアルバム～』をリリース。2024年2月には冬恒例の〈SURF& SNOW vol.44〉を開催。
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