派手な衣装とアイドル的なルックス、高い演奏能力に支えられたバンド・サウンドとエンターテイメント性に満ちたパフォーマンスで注目を集める、ダンサー2人を含むガールズ・バンド、Gacharic Spinがついにメジャー・デビューを果たす。その最初のリリースは、インディー時代の楽曲をまとめたベスト盤『ガチャっとBEST〈2010-2014〉』。攻撃的なスラップ・ベースとハード・ロッキンな速弾きギターを軸にした“Lock On!!”や“ハンティングサマー-2014-”の新録版などを収録した本作の最大の特徴は、独特のミクスチャー感覚に溢れた音楽性。

Gacharic Spin ガチャっとBEST〈2010-2014〉 ビクター(2014)

 「小さい頃はクラシック・ピアノ、それから〈SPEEDになりたい〉と思ってダンスを始めて、ディープ・パープルを聴いてバンドに興味を持ちました」(オレオレオナ、ヴォーカル/キーボード)、「ロックに目覚めたきっかけは、キッス。当時はギターとベースの区別もつかなかったけど、派手なメイクや火を吹いたりするステージがおもしろくて(笑)」(F チョッパー KOGA、ベース)といった、メンバー個々のルーツが絶妙なバランスで混ざり合っているのだ。

 「確かにいろんな要素が入ってますよね。誰かひとりが曲を作るんじゃなくて、メンバーみんなで曲を持ち寄って、それを組み合わせてるからじゃないかなって」(オレオ)。

 「演奏できるかどうか、ギリギリのフレーズを入れることも意識してますね。そうすることで自然とレヴェルも上がるので」(KOGA)。

 そう、彼女らのもうひとつの武器は、カラフルでキッチュなヴィジュアルからは想像できない(?)、凄腕の演奏テクニックだ。

 「私たちがやりたいのは誰でも楽しめるエンターテイメントなんですけど、土台がしっかりしてないと、ただのおバカバンド、遊びバンドに見られてしまうと思うんです。見た目で〈ホントに演奏してるの?〉って思われることもあるので。だから、曲も納得いくまで作り込むし、演奏力を付けるための練習もするんですよね。振り切ってバカなことをやるために、(音楽的な)努力をするというか」(KOGA)。

 年間100本以上のライヴを行い、今夏はフランスの〈JAPAN EXPO〉や〈SUMMER SONIC〉にも出演。〈ド派手&バカテク〉という強烈なキャラクターを持つ6人の存在は、今後さらに大きなインパクトをもたらすことになりそうだ。

 「メジャー・デビューすることで、もっといろんなことができると思います。いまは、はな(ヴォーカル/ドラムス)とオレオのツイン・ヴォーカルなんですけど、他のヴォーカルの方とコラボするのもおもしろそうだし」(KOGA)。

 「ライヴでもやりたいことがたくさんあるんですよ。私は宙を飛ぶのが夢です(笑)!」(オレオ)。

 

 

▼関連作品

Gacharic Spinの2014年作『WINNER』(JUICY GIRLS)
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