誰しも幼い頃を経ていつしか大人になる。小学生の頃のあの純粋な感じが懐かしくなる時がある。物語は優等生の清水くんが危険分子扱いをされているクラスの変わり者、信楽くんが創る図工の作品をこっそり見て、とんでもなく才能あるんじゃね?と強く興味を抱き、観察することから始まる。ふたりに友情が生まれるのかどうか。微妙な関係が続いて行く。物語の語り手は清水くん。読むうちいつしか美しすぎて、切なすぎて、感涙した。絵が素晴らしく、感情が昂ったときの表情、特に口からは楳図かずお、見目麗しく、眼光鋭くも吸い込まれそうな目からは花輪和一などを想起させる描線にも感動。大名作発見!