ポスト・ロックやプログレを連想させる複雑かつ人間離れした演奏で、昨今のUKロック界において異彩を放っていたブラック・ミディ。先日、そんなバンドを〈無期限活動休止した〉と明かしたギタリストから、ソロでの初作が届けられた。ロンドンとサンパウロで30回以上のセッションを重ねて録音されたらしく、甘美さ漂う弦楽器、ホットでゴージャスなホーン、軽妙なパーカッションと、ブラジル音楽やキューバなどラテンのエレメントが作品を彩る。頭脳ではなく肉体へとヴィヴィッドに届く快楽性は抵抗不可能。『Naked』期のトーキング・ヘッズが好きなリスナーなどにもハマるのでは。