高野寛の随筆集「続く、イエローマジック」が、2024年11月11日に刊行されました。自身のデビュー35周年を記念して書き下ろされた本書では、YMOやトッド・ラングレン、星野源ら活動を通じて出会ったさまざまなミュージシャンたちとの交流の歩みなどが綴られています。
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日本の音楽シーンにおける屈指の〈ユーティリティプレイヤー〉である高野寛。1988年に高橋幸宏プロデュースによるアルバム『hullo hulloa』でソロデビューを果たした後、自身のソロ活動をはじめ、pupaやNathalie Wiseなどのバンドや高橋幸宏や星野源ら数多くのアーティストのライブや録音に参加、サウンドプロデューサーとして小泉今日子やのんなどの作品を手掛けるなど、多岐にわたってその手腕を発揮し続けている。
また、2024年11月27日にはデビュー35周年を記念したアルバム『Modern Vintage Future』を発表。同作は、みずからのルーツとも言えるYMOへのオマージュが捧げられた全編エレクトロニックサウンドの一枚に仕上がっているそうで、こちらの到着にも期待が高まっている。
そんななか、書き下ろしエッセイ「続く、イエローマジック」が刊行された。学生時代のYMOとの出会いからデビューに至るきっかけ、数多くのミュージシャンとの出会いや思い出などが、高野らしい〈誠実さ〉が伝わる文体で綴られている。序盤には、中学卒業後の春休み、進学祝いのレコード券を手にでかけたレコード店で観たライブ映像に衝撃を受け、『SOLID STATE SURVIVOR』を手に一直線にレジへ向かったという、その後の人生を決定づけたようなYMOに関するエピソードが登場。
また、活動の裏側で起こっていた数々の逸話も執筆されており、デビュー以前、究極のバンド結成計画が立てられるも、プロデューサーである高橋幸宏の一言でシンガーソングライターとしてソロデビューしていった方向転換には、歴史の〈if〉を感じずにはいられない。苦戦を強いられたデビューシングル“See You Again”のレコーディングの模様からは、マルチな才能で知られる現在の彼からは想像できない若かりし頃の姿が。
また、自身も大ファンである大御所トッド・ラングレンがプロデュースを手掛けた“虹の都へ”の大ヒットによるブレイクや、多忙を極めた当時のまばらな記憶、湾岸戦争開戦の影響下で敢行されたアメリカでの録音作業の日々など、当時の業界や社会の雰囲気が伝わってくるエピソードは興味深いものばかり。
さらに、ロリポップ・ソニックで活動していたころの小山田圭吾や小沢健二との出会い、田島貴男とのコラボレーションが実現したシングル“Winter’s Tale 〜冬物語〜”など、〈渋谷系〉の面々との思い出や、緒川たまきと司会を務めたNHK教育のカルチャー番組「土曜ソリトン SIDE-B」での収録話もあり、近年、改めて注目が集まる90年代の音楽シーンの空気感を感じ取ってもらえるはずだ。