ボビー・ギレスピーによる素晴らしい自伝の刊行や『Screamadelica』の30周年ツアーなどで動いてはいつつ、懐古主義的にも見えたなかで8年ぶりの新作が登場。これは〈完全復活!〉と快哉を叫びたくなる一枚だ。モッズ~ジャズ・ファンクな音作りの名手、デヴィッド・ホルムズを制作に召喚。ストリングスや女性コーラスをふんだんに散りばめたゴージャスな演奏を従えてボビーが踊りまくっている。さらにトリクルダウンの欺瞞や植民地主義を非難する歌詞は、労働組合員だったボビーの父親をあしらったジャケットに違わぬ姿勢を示すもの。年始の来日公演が俄然楽しみになった。