ワーナーミュージックの洋楽名盤シリーズ〈FOREVER YOUNG〉と連動した定番リイシューを紹介する連載! 今回はブラー、ジーザス&メリー・チェイン、プライマル・スクリームというUKロックの栄光を築いた重要作たちが登場!
洋楽名盤をリイシューするワーナーミュージック発の〈フォーエヴァー・ヤング〉シリーズからタイムレスな定番タイトルを紹介していく連載。今回は9月17日に登場する第9弾より、名盤揃いのラインナップを合計15タイトル紹介します。今回はオアシスが再結成するような世間的なトピックにも合わせて(?)、改めて彼らと同じ時代を生き、英国ロックの歴史にひとつの黄金時代を築き上げたアイコニックな大物バンドたちがチョイスされています。
まずは、もはや宿敵オアシスとのバチバチなどを語る必要もなく、説明不要な国民的バンドとなっているブラー。デーモン・アルバーン(ヴォーカル)、グレアム・コクソン(ギター)、アレックス・ジェイムズ(ベース)、デイヴ・ロウントゥリー(ドラムス)が集まって、80年代末にロンドンで結成された4人組です。91年にメジャー・デビューし、紆余曲折あって仕上げたサード・アルバム『Parklife』が初の全英1位を記録し、当時のブリット・ポップのムーヴメントを象徴する存在として日本でも大人気になりました。その後はオアシスの成功のカウンターで悪役にされた時期などもありつつ、作品ごとに独自のスタイルを確立して別格のポジションに移行。その間にはデーモンがゴリラズなどのサイド・プロジェクトで成功を収め、グレアムの脱退と復帰などのトピックもありつつ、現時点での最新オリジナル作『The Ballad Of Darren』(2023年)まで7作連続で全英アルバム・チャート首位という快挙を達成しています。90年代UKロックやブリット・ポップといった縛りを超えて支持を集める様は、やはり国民的バンドとしか言いようがないものですね。
2組目のジーザス&メリー・チェイン(JAMC)は、スコットランド出身のジム・リード(ヴォーカル)、ウィリアム・リード(ギター/ヴォーカル)の兄弟で結成されたバンドです。その後ダグラス・ハート(ベース)、マレイ・ダーグリッシュ(ドラムス)を加えて初期クリエイションから84年にデビュー。その後ドラマーがボビー・ギレスピーに交替してアルバム・デビューも果たしています。ヴェルヴェッツとシャングリラズに影響を受けたというノイズと美しいメロディーで満たされたサウンドで注目され、その後シューゲイザーと呼ばれるシーンの先駆けとなりました。最終的にメンバーは兄弟のみとなって99年に解散するも2007年に再結成。昨年は最新アルバム『Glasgow Eyes』を発表し、今年1月には〈rockin’on sonic〉に出演しています。
そして、そのJAMCに一時在籍したボビー・ギレスピーが、82年にグラスゴーでジム・ビーティ(ギター)と結成していたバンドこそプライマル・スクリームです。その2人に加えてアンドリュー・イネス(ギター)、ロバート・ヤング(ベース)らが在籍した状態で、87年に『Sonic Flower Groove』でアルバム・デビュー。90年代に入るとアルバムごとにスタイルを変えながら飛躍的な成功を収め、UKロック・シーンの幅を拡張していくことになりますが、当初は60s風のフォーク・ロックを奏でるギター・ポップ・バンドでした。彼らもまた昨年に久々のアルバム『Come Ahead』をリリースし、2025年1月開催の〈rockin’on sonic〉に出演していましたね。
……そんなふうに往年のアイコンにして現役のレジェンドと呼ぶべき彼らの多種多様な名盤たちを改めて紹介していきましょう!
ブラーの近作を紹介。
左から、2023年作『The Ballad Of Darren』、2024年のライヴ盤『Live At Wembley Stadium』(共にParlophone)
ジーザス・アンド・メリー・チェインの2024年作『Glasgow Eyes』(Fuzz Club)
プライマル・スクリームの2024年作『Come Ahead』(BMG)