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多彩な作家陣が参加したオリジナルアルバム

次にアルバムを見てみよう。まずは1997年発表のファーストアルバム『ARIGATO!』。竹内まりや、岡本真夜、原由子の新たな提供曲に加え、元カーネーションの矢部浩志によるグルーヴィーなドラミングも光る“ヨリミチ”(作詞・作曲・編曲:高浪敬太郎)、藤井丈司らしいシンセサウンドに彩られた“It’s my Idol”(作詞・作曲:奥居香)などパブリックイメージに沿った元気系の曲がメインとなった作りだ。

広末涼子 『ARIGATO!』 ワーナー(1997)

そして1999年リリースのセカンドアルバム『private』では、仲良しだった篠原ともえが作曲を手掛ける“大人にならないように”をはじめ、広末本人による作詞曲も登場。さらに、歌詞&メロディー共に古内東子節が炸裂している“リズム”など、少女からだいぶ成長して、よりいっそう美しくなった彼女の輪郭を丁寧になぞってみせるような楽曲も少なくない。

広末涼子 『private』 ワーナー(1999)

と、いまのところオリジナルアルバムはこの2枚のみだが、もしもこの先新しい作品が登場するとしたら、いったいどんな顔立ちをした歌が並ぶことになるのか。それを占ううえでも、年の瀬に開催される約25年ぶりのワンマンライブ〈Best Day Ever〉は大事な機会となるのは間違いない。揺るぎない決意が込められているであろう彼女の復活宣言を、ぜひこの耳で確かめたいものだ。

広末涼子 『RH Singles &... ~edition de luxe~』 ワーナー(2013)

 


PROFILE:桑原シロー
1970年、三重県尾鷲市生まれ。音楽ライター。2000年代半ば、タワーレコードが発行するフリーペーパー「bounce」の編集業務に携わり、退社後、フリーランスの音楽ライターとして活動。雑誌/ウェブを中心に記事を執筆。インタビュー、ライナーノーツ執筆などを行なう。ロック、ジャズ、歌謡曲など幅広い音楽ジャンルに精通し、映画、芸能、お笑いの分野にも活動範囲を広げている。2014年から、日本のディープサウス、熊野在住の異能のギタリストのマネージャーも務めている。