タイトルは先に決まっていたというフェネスの5年半ぶりの新作『モザイク』。フラグメントとその集合体を示す言葉だが、アルバムのタイトルとしてだけでなく、収録された楽曲全体にそのイメージが踏襲されている。たくさんの細かな音が現れては交差し、ひとつの形をなしたと思えば大きなうねりとなって変化する、そんなアルバムだ。これまでのフェネスの音楽性はそのままに、ただこれまで以上に広大な空間が眼前に広がってくる。ジャケットのような渺茫とした、しかし音風景としてはやや荒涼としたトーンを帯びている。全7曲が全く違う音風景を見させてくれる秀作。日本先行で日本盤のみボーナス・トラック収録。