オリジナル作品としては前作から約7年ぶりとなるニュー・アルバムをフランツ・フェルディナンドがリリース。本作ではフランツ節といえる音が鳴り響いている。ハッピーな雰囲気とダークな情動を行き来する歌詞に、思わず身体を揺らしたくなるグルーヴ。多面的な感情を歌いながら、聴く人を踊らせるというそのスタイルは職人芸の域に達している。そうした確固たる美学がありつつ、“Hooked”ではインダストリアル風味のビートを取り入れるなど、挑戦も忘れない。そんな姿勢を20年以上も貫いて辿りついたサウンドは、フランツ・ロックと形容する他ない独自性を獲得している。