前シングル“撃ち抜いてBaby,明日を撃てLady”で、ロックンロールの荒々しさとともに、ポップでメロディアスな側面を打ち出し、音楽的な懐の深さと広さを見せてくれた暴動クラブが、全曲邦楽のカバーEP『VOODOO SEE, VOODOO DO』を完成させた。
そして今回、収録曲の中から、RCサクセションのカバー“つ・き・あ・い・た・い”にコーラスで参加したちわきまゆみとの対談が実現。ミュージシャンやラジオパーソナリティ、DJとして、1980年代から錚々たるアーティストと交流し、日本のロックンロール史の変遷を最前線で体感してきた、ちわきから見た暴動クラブの魅力とは。
※このインタビューは2025年3月25日発行の「bounce vol.496」に掲載された記事の拡大版です

ロックンロールの夢が詰め込まれたバンド
――暴動クラブのみなさんとちわきさんは、どのようにして出会ったのですか?
城戸“ROSIE”ヒナコ(暴動クラブ)「スタッフの高橋(Rock Me Baby)さんが繋げてくれたんです」
ちわきまゆみ「彼は私が東芝EMIにいた頃に宣伝を担当してくれていて」
釘屋玄(暴動クラブ)「僕、地元の広島いた頃に通っていたSTEREO RECORDSで、当時のちわきさんの7インチを買ってるんですよ。今も家にあります」
ちわき「それ、今となってはけっこうレアかも(笑)。暴動クラブのみんなと最初に話したのは、2024年の3月だったかな? 私のラジオ番組(『THE MAJESTIC SATURDAY NIGHT』※)に出てもらったんだよね。で、同じタイミングで私の友達の野宮真貴ちゃんの番組(『渋谷のラジオの渋谷系』)にも出てたんだっけ? 彼女も暴動クラブのことが気になるって言ってたから、4月の新代田FEVERでのライブを一緒に観に行って、そこから追っかけみたいになってる(笑)」
――暴動クラブのどんなところが魅力的だと感じますか?
ちわき「音が歪んでいて、ルックスがキラキラで、ロックンロールの夢が詰め込まれていて。結成してまだそんなに経っていないのに演奏力もあって、もう素晴らしいなって」
釘屋「なんか恥ずかしいです(笑)」
ちわき「あらためて目の前で言われるとね(笑)。でもほんとうにそう思ってるし、いつも言ってることだから」
――今回は暴動クラブがカバーEP『VOODOO SEE, VOODOO DO』をリリースするにあたっての対談ですが、ちわきさんも過去によくカバー曲を出されていましたよね?
ちわき「シングルのB面をカバーにしていましたね。A面曲はだいたいアルバムに入るから、シングルとしての付加価値を考えたときにカバーがいいなって。私は洋楽が多かったんだけど、今回のEPは邦楽オンリーなんだよね?」
城戸「バレット・ストロングの“Money (That’s What I Want)”やザ・プリティ・シングスのバージョンを参考にした“Road Runner”とか、洋楽のカバーもやってきたんですけど」
ちわき「うんうん、あれもすごくよかった」
城戸「でも今回は邦楽でいこうって。いつかこの作品と対になるような、洋楽だけのカバーEPも出せたらなっていう願いも込めて」