海中を泳ぐシューゲイザー4人組が向かう先は?

 〈ジュモクザメ〉を意味するバンド名が、突っぱねているようでどこか可愛げの漂う佇まいにもハマっているHammer Head Shark。2018年に結成され、昨今は大型フェスへの出演やカナダ・ツアーの開催など活動規模を広げている4人組は、聴き手を刺しながら包み込むようなシューゲイザー・サウンド、マリアンヌ・フェイスフルや佐藤千亜妃を想起させる、ながいひゆの歌声で稀有な求心力を放っている。

Hammer Head Shark 『27℃』 Hammer Head Shark(2025)

 そんなバンドのファースト・アルバム『27℃』は、フォーキーな“Dummy Flower”、轟音を響かす“レイクサイドグッバイ”、甘美な浮遊感を湛えた“綺麗な骨”など既発曲に、リズミックなメロディーが心地良い“名前を呼んで”、レイドバックしたムードの“園”といった新曲を加えた、集大成というべき作品だ。緻密さと爆発力の同居した演奏からは、レディオヘッド『The Bends』の30年後といった趣も感じさせる。このポテンシャルは只者ではない!

Hammer Head Sharkの2020年のミニ・アルバム『BYE MY NAKED』(2DK)