インタビュー

オトループ 『カタリベシンパシー』

滑稽さも、シリアスさも――シンプルなギター・ロックで伝える〈人間とは何か?〉

オトループ 『カタリベシンパシー』

 気になる女子をランチに誘うためにLINEを送ったのに〈既読〉になって12時間経っても返事が来ない――とクヨクヨ悩む男子を描いた“Re”をリード曲にした前作『オトノベル』がスマッシュ・ヒットを記録。恋愛系の〈あるあるネタ〉を取り入れた歌詞、フュージョンファンクなどを織り交ぜたギター・サウンドによって急激に支持層を広げる3人組、オトループから新たなミニ・アルバム『カタリベシンパシー』が届けられた。好きな女の子の血液型(B型)についてアレコレ考察するA型の男の子を主人公にした鋭利なギター・ロック“A型症候群”、Twitterで彼女のツイートを遡って疑心暗鬼に陥る“容疑者アカ”をはじめ、このバンドの魅力である〈ちょっと情けないラヴソング〉のリアリティーはさらにアップ。そして特筆すべきは「いままでよりも、さらに深く自分のなかに潜り、言葉を選んだ」(纐纈悠輔、ヴォーカル/ギター)というスタンスから生まれた、切実なメッセージ性を含んだナンバーだ。その象徴は、〈そう 僕らは 自分自身から 絶対 逃げることできないから〉と歌うミディアム“自分”。

オトループ カタリベシンパシー ROCKBELL(2014)

  「いままで〈どんなに絶望的な状況であっても、最後は希望がある〉という歌を作り続けてきたんですが、もしかしたら、それはリアルじゃないかもしれないと思うようになって。この先はどうなるかわからないというのが本当のところだし、“自分”ではそれを正直に書こうと思ったんですよね」(纐纈)。

  「曲調も歌詞も、いままでとは違うなという印象がありました。特に〈自分からは 逃げられない〉という歌詞は演奏しているときもすごく耳に入ってくるんですよね」(田中陽/ドラムス)。

 疾走感溢れるギター・ロックを軸にしたアレンジも、本作の特徴。もともと高い演奏テクニックを持っているバンドなのだが、派手なプレイを抑え、歌を真っ直ぐに伝えることに心を砕いているのだ。

  「いままではセッションで作っていたんですが、今回は僕のデモ音源が元になっています。〈歌を伝えたい〉という気持ちも強くなっていたし、自分たちがやりたいプレイをただ詰め込むのは止めよう、と」(纐纈)。

 「歌詞をよりシンプルに力強く伝えたい思いがあったので、オトループ史上、いちばんストレートでロックな作品になったと思います」(吹原賢吾/ベース)。

 シンプルなサウンドで〈人間とは何か?〉という普遍的な詞世界を際立たせた『カタリベシンパシー』。本作によってオトループは、自身の奥深い音楽性をより幅広いリスナーへ浸透させることになりそうだ。

 

▼オトループの作品

左から、2012年のミニ・アルバム『ヒト・リ・バースデイ』(67's)、2013年のミニ・アルバム『オトノベル』(ROCKBELL)

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