〈近未来型アイドル・ユニット〉を謳い、2013年の結成以来〈ドクター〉と呼ばれるファンの愛に支えられて着実に成長を遂げてきたLOVE ANDROID。自他共に〈ポンコツ〉と認めるポンコツ型アンドロイドのももこ、趣味が多岐に渡るヲタク型アンドロイドのらんちゃそ、特技が整理整頓というまじめ型アンドロイドのsena.、アクション映画鑑賞が好きで自身も空手が得意だという武踊型アンドロイドの藤堂ラナ、ユニットのムードメーカーだという天然型アンドロイドのののから成る5人は、定期イヴェント〈ウタ娘〉やCSで放映中の同名番組への出演、そしてSUPER☆GiRLSTHE ポッシボーなどとの共演により、ライヴ・アイドルとして知名度を上げてきた。そんな彼女たちのファースト・シングル“救世主☆テレパシー”とミニ・アルバム『LOVE♡LOVE』がこのたび同時リリースされる。

LOVE ANDROID 救世主☆テレパシー JAPAN MODE(2014)

 シングル表題曲の“救世主☆テレパシー”は、ユニットのフラッグシップ・ナンバーとなるべく制作されたもの。戦隊もののテーマソングを彷彿とさせる疾走感を持つガーリーなポップ・チューンに乗せて、歌詞では未来へ進み続けるなかでの葛藤と希望を表現。健気な5人の歌唱も入れ代わり立ち代わりでメッセージを力強く伝え、クライマックスでは立ちはだかる壁が見えつつもその先にある一点の光を見つめるような情景を、切なさと共に歌い上げている。

 さらには、同曲のリミックス・ヴァージョンをORANGE RANGENAOTOことnaotohiroyamaが提供。オリジナルが夕日をめざして走り抜けるようなイメージとするならば、ロボティックなヴォーカルをフィーチャーしたこちらは、成層圏すら飛び越え、まるで彼女たちが月面を歩いているかの如きファニーな仕上がり。〈近未来型アンドロイド〉という彼女たちの世界観がより強調されている。

LOVE ANDROID LOVE♡LOVE JAPAN MODE(2014)

 そして、ミニ・アルバム『LOVE♡LOVE』には2組のゲストを招聘。まず、開演を告げる“Intro”に続く“LOVE FOREVER”にはROLLYが登場し、軽快なラップも交えたアップをナビゲートすべく、随所でMCのような立ち居振る舞いを披露している。また“モアモアTIME”には、カラスは真っ白のギタリストであるシミズコウヘイが助力。ライヴでは藤堂ラナがみずから振り付けたというダンスと、観客とのコール&レスポンスが映える楽曲だが、清澄なシンセが躍るスピーディーなナンバーに心を揺さぶるようなギターが加わることで、エモーションが増量されている。

 ほかにも、〈既読スルー〉すら気にならないほどに通じ合った友情をテーマにした“ずっとも~your my god friend~”、君と僕のあいだに芽生える切ない恋心を綴った“連愛FIGHTER”、これまで愛を与え続けてくれたドクターたちへの思いと、この先の未来では自身が愛を与えるべく進み続ける意志をメッセージとして綴った“Dear Dr.”と、全6曲をもって終演を迎える本作。ライヴ・アイドルでもある彼女たちらしいエレクトロニックなダンス・ポップが揃っており、DAISHI DANCEらを擁するROTH PROJECTSPACE SHOWERの共同レーベルからの第1弾に相応しい作品と言えるだろう。

 

▼関連作品

左から、ORANGE RANGEの2013年作『spark』(スピードスター)、谷山浩子×ROLLYの2013年作『暴虐のからくり人形楽団』(YAMAHA)、カラスは真っ白の2014年のミニ・アルバム『おんそくメリーゴーランド』(SPACE SHOWER)

ジャケットをクリックするとTOWER RECORDS ONLINEにジャンプ