LA公演が永久保存版Blu-rayに。9月から始まる国内ツアー、そしてワールドツアーへ!

 アメリカのラジオDJやネットのインフルエンサーが紹介したことによって世界中の20代中心の若者の間で話題となった日本のシティポップやJフュージョン。その中でも高中正義の人気は凄まじく、Spotify(音楽ストリーミングサービス)やYouTubeの再生回数では驚異的な数字を叩き出している。そんな背景から実現した今年の3月9日と10日、米国ロサンゼルスのウィルターン・シアターで行なわれた公演に集まった現地のファン5000人(2日間SOLD OUT)を熱狂させた高中正義。その模様を収録したBlu-rayが7月16日に発売された。

高中正義 『TAKANAKA SUPER LIVE 2025 BLACK SHIP in L.A.』 Lagoon(2025)

 もはやトレードマークとなった赤いスーツ、サングラスにオールバックの髪型という出たちで登場した高中正義。コンサートは“黒船”でスタート。前半は今、アメリカで人気のあるという、1枚目や2枚目のアルバムからの選曲を中心に進んでいく。スタンディングの観客たちによるギターのメロディをラララ~♪と一緒に歌う声が響き渡り、ギターの音色がクリーンやオーバードライブにチェンジされるたびにどよめきにも似た歓声が上がる。メロディアスであること、グルーヴ感の溢れるリズム、七色に変化するギターの音色、これらが高中正義がアメリカの若者から支持されている理由なのだろう。後半はダンサブルな曲で盛り上げ、お馴染み“READY TO FLY”“BLUE LAGOON”で締める王道のパターン。そしてアンコールではアルバム『虹伝説』から“YOU CAN NEVER COME TO THIS PLACE”、そしてウッドストックにおけるジミ・ヘンドリックスさながら“アメリカ国歌”を演奏。今年に入ってからすぐに起こったロサンゼルスの山火事を見舞う、粋な選曲であった。

 国内ツアーと同じメンバーを率いて100%のサウンドを届けたこのコンサートの記録。最高の録音とカメラワーク、そして音色も演奏もベストな状態を遠い異国でもキープ出来たのは流石。そして、このLA公演が高中正義を攻めの姿勢へと変えた。今年も9月より15カ所の国内ツアー、そしてその勢いを持っていよいよ念願のワールドツアー(アメリカ、イギリス、オーストラリア、中国)を開始する。今こそ世界のギタリストとなった、高中正義の現在を捉えた永久保存版のBlu-rayである。