シングル・ヒットが途切れなかったせいで短いスパンのように思ったが、実際は『Short n’ Sweet』からちょうど1年ぶりのニュー・アルバム。皮肉を効かせたつもりのジャケが真顔で賛否を呼ぶあたりも現代的だが、それでも全米/全英1位に輝いた先行シングル“Manchild”は過去最高の初動成績だそうで、そういう時代ではある。今回は“Espresso”のジュリアン・ブネッタは不在ながら、引き続きジャック・アントノフとジョン・ライアンがプロデュースし、エイミー・アレンも全曲を共作するなどチームは変わらず。アバやドリー・パートンら先人の作法も衒いなく全吸収した、ズルいほどに隙のないポップ大作だ。