グラミーの6部門ノミネートでも話題な2024年最大の話題作『Short n’ Sweet』がいよいよ日本盤で登場! 新しい時代の次世代ポップスターが届ける短くて甘い魅力を改めて味わってみよう!

2024年の象徴

 2024年のサマー・アンセムはこれにキマリ!と誰もが一斉に色めき立ったサブリナ・カーペンターの“Espresso”。リリースと同時にあれよあれよとチャートを駆け上って世界を席巻した。いわゆる拳を突き上げて大合唱という熱血系ではなく、キュートでセクシー、かつウィットに富んだブリージー・アンセム。夏のヴァケーション気分を届けてくれるこの爽やかチューンは、全英チャートでの1位をはじめ、世界中で長期にわたって大ヒットを記録した。しかも続けて放たれたシングル“Please Please Please”(米英で1位)と“Taste”(全英1位/全米2位)も間髪入れず大ヒット。UKでは3曲が全英チャートを制覇したうえ、3曲が同時にTOP4入り。本国アメリカでも3曲が同時に8週連続でTOP10入りという快挙を次々と成し遂げた。さらに、それらを収録したアルバム『Short n’ Sweet』に至っては、米英のみならず世界中のチャートで首位を獲得し、世界のポップ・シーンは、まるでサブリナ色に染め上げられたかのような様相となった。夏限定のサマー・アンセムどころか、2024年を象徴するポップ・センセーションと言えるだろうか。

SABRINA CARPENTER 『Short n’ Sweet』 Island/ユニバーサル(2024)

 当然ながらグラミー賞もこのサブリナ現象を傍観しているわけにはいかず、第67回グラミー賞では主要4部門を含めた全6部門にノミネート。その多くの部門で新星チャペル・ローンや大御所ビヨンセらと互角に張り合っている格好だ。そのなかでもおもしろいのが、今更ながらの新人賞ノミネート。サブリナは新人どころか実際には10年選手であり、このたび日本盤化された『Short n’ Sweet』は通算6枚目のアルバムとなる。もはやヴェテランの域に達しているのだが、それでも新人扱いなのは、それだけ桁外れの目を見張る躍進ぶりと、音楽界に与えたインパクトの大きさを踏まえてのことだろう。