“Cigarettes & Alcohol”“Roll With It”など新生オアシスによる名演の数々
小田「じゃあライブ本編についても話していきましょうか。再結成ツアーは7月のカーディフ公演から始まりましたが、今回の来日公演も含めてここまですべて同じセットリストというのもちょっと異例ですよね。でも、だからこそ全世界の人が同じ興奮を味わえると捉えることもできるそうですが」
田中「これが2025年のオアシスの完成形って感じなんでしょうね。少なくとも2026年のどこかまでは活動しそうな雰囲気ですが、いま発表されている南米ツアーまではこのセットリストなんだろうなと。来年はさすがに少し変えてきそうな気もしています。そういえば2日目にトイレを待っている間に話した人が、まったくセットリストをチェックせずにこの日を迎えたそうなんです。そういう楽しみ方もイイですよね」
小田「オアシスが好きな人で、この4カ月ぐらい一切の事前情報を断つことができるのもすごい! 自分はカーディフ公演の初日が終演した時間ぐらいに、すぐSNSをチェックしちゃいました(笑)。
ライブ本編は挨拶代わりの“Hello”からスタートしましたが、いきなり新生オアシスのダイナミズムに圧倒されました。これまでのリアムならライブ序盤は声が裏返ったりピッチがズレたりしてましたが、いまの彼にはソロ期間で積み上げてきたものがある。〈It’s good to be back, it’s good to be back〉というフレーズをオアシスのリアムとして歌える喜びが伝わってきましたね」
田中「“Hello”は、再結成を期にもっとも価値を高めた曲という感じがしますね。あと序盤の“Cigarettes & Alcohol”も触れておかないわけにはいかない。この曲は、なんといってもポズナンダンス! 1日目ではあまり上手くいってなかったんです。でも、2日目ではバッチリ成功して会場が揺れていましたよね。リアムからの〈Congratulations!〉もいただきましたし」
小田「あれは鳥肌が立ちましたね! SNSでも日本でのポズナンの映像が世界のオアシスファンの間で話題になってました。日本はアリーナ席にも椅子があったし、そもそも世界的に〈日本のオーディエンスは静かで行儀が良い〉なんていう共通認識が昔からずっとありますから。“Cigarettes & Alcohol”のあとに“Fade Away”“Supersonic”“Roll With It”とアガる曲が並んでいたのも爽快でした」
田中「“Roll With It”は今回のリユニオンから加わった名ドラマー、ジョーイ・ワロンカーならではの跳ねのあるビートがハマっていましたよね。あとは“Talk Tonight”がすごく印象的でした。この曲では、スマホのライトをみんなが掲げていましたよね。アリーナから見るスタンドが満点の星空みたいで本当に綺麗で……」
小田「中盤の“Talk Tonight”から“Little By Little”までのノエルコーナーは、それこそノエルがソロでもずっとやり続けていた定番曲で組まれていましたね。改めてオアシスの名を背負ったパフォーマンスは気迫が違うなと、ゲム(・アーチャー)はずっとノエルと一緒にやってましたが、今回はその隣にアンディ(・ベル)もいる。ちょっとした人員構成の違いかもしれませんけど、オアシスの名のもとでしか生まれない無双感みたいなものがありました」
田中「同じノエル歌唱曲の“Half The World Away”や、セットリストではやや後半の“Cast No Shadow”などアコースティック楽器を効果的に使ったメロウな楽曲も絶品でした」
祝祭感と多幸感に包まれた“Don’t Look Back In Anger”“Champagne Supernova”
小田「あえて『Be Here Now』パートと言いますけど、“D’You Know What I Mean?”“Stand By Me”の流れも格別でした。この2曲は主にリアムがソロ期間にライブのレパートリーに組み込んでいましたよね。特に“D’You Know What I Mean?”はサイケデリックな映像と相まって、90年代の空気感を感じました」
田中「ソロになってからのリアムが歌う“Stand By Me”は本当に良いですよね。解散前よりも弱さや繊細さをストレートに表現できるシンガーになったと感じています。そして本編は“Whatever”“Live Forever”と続き、締めに“Rock ‘N’ Roll Star”と最高潮でフィナーレを迎えたわけですが、もちろんアンコールもやってくれました。まずはリアム抜きで”The Masterplan”から始まり、そのまま“Don’t Look Back In Anger”! やはりこの曲がいちばんシンガロング度合いが凄まじかったですね。最後のサビの前は、お客さんだけで合唱するのが定番ですが、2日目は1日目よりも1コーラス多く、オーディエンスに歌わせていました」
小田「そして最後の“Champagne Supernova”で感極まる、という流れですよね。予習もしていたのでこの曲で大団円を迎えるってわかっていたのに、ドラムのカウントが始まった瞬間、もう感動と興奮に抗うことができませんでした。もう歌いすぎて喉もヒリヒリしてたんですけど、あの祝祭感と多幸感を前にしたら自然と声が復活していました(笑)。
そしてこの曲でも抜けのいいスネアやズッシリと響くバスドラと、ジョーイのドラムが光ってましたね。2日目の“Supersonic”のアウトロで盛大にミスしたノエルでしたが、“Champagne Supernova”のギターソロは完璧でした!」