ライブイベント〈NONA REEVES “Discography Deluxe 2021“〉が2021年10月25日(月)にビルボードライブ大阪で、10月27日(水)にビルボードライブ東京で、11月10日(水)にビルボードライブ横浜で開催される。
西寺郷太(ボーカル)、奥田健介(ギター)、小松シゲル(ドラムス)からなる〈POP’N SOUL バンド〉、NONA REEVES(以下、ノーナ)。ソウルやファンク、ディスコ、80sポップス、シティポップ、AOR、ソフトロックなどなどから影響を受けた洗練された音楽性で、独自の地位を築き上げているバンドだ。
ノーナのスタートは95年、西寺がこの名義で活動を始めたことにさかのぼり、早稲田大学の同じ音楽サークルに所属していた小松と奥田が加入したことによってバンドになった。ちなみにバンド名は、マーヴィン・ゲイの娘ノーナとモータウンのシンガーであるマーサ・リーヴスに由来している。
96年、ファーストアルバム『SIDECAR』をリリース。翌97年に2作目の『QUICKLY』を発表。同年、ワーナーから『GOLF EP』を発表してメジャーデビューした。そして99年に、冨田恵一がプロデューサーとして参加した“渚のチューブ・ライダー”を含むメジャーでのファーストアルバム『ANIMATION』をリリースする。
その後は、山本拓夫や筒美京平、YOU THE ROCK★、Cymbalsら、さまざまなプロデューサーやミュージシャン、バンドと共演・コラボレーションを重ねつつ、日本語詞への挑戦、海外でのライブ、コロムビアやメルダック/Tri-Mへのレーベル移籍など、数々の転換点を迎える。しかし、そういった変化のなかで、一貫して音楽愛にあふれたサウンドは確かな支持を集めていき、そのファン層を広げていった。
メジャーデビューから20周年を迎えた2017年、ノーナは古巣であるワーナーに戻り、ベストアルバム『POP’N SOUL 20 ~The Very Best of NONA REEVES~』をリリース。さらに同年、アルバム『MISSION』を、2019年に『未来』を発表した。
2020年にはタワーレコードとタッグを組み、みずからのレーベル〈daydream park records〉を立ち上げ、現在の活動の拠点にしている(ちなみに、〈daydream park〉は、プリンスのレーベルである〈Paisley Park〉をほうふつとさせる2007年の同名アルバムに由来)。同レーベルからは、2020年に西寺がソロアルバム『Funkvision』を、2021年4月に奥田がソロプロジェクト〈ZEUS〉名義で『ZEUS』を発表した。
さらにdaydream parkからは、バンドにとって実に17作目になるアルバム『Discography』(共同プロデュースは冨田謙)を9月にリリースしたばかりだ。
ノーナは現在、3人それぞれが個々で活躍する才能が集まった集団としても知られており、〈ミュージシャンズミュージシャン〉という風格すら感じられる。
たとえば、西寺はプロデューサーとして、作詞作曲家として、さらには音楽的な知識を活かした評論家としての執筆やMCとして活動しており、ソロアーティストとしても作品を発表している。
奥田は作曲家として活動、またレキシや坂本真綾のバンドでギタリストとしてプレイ。2021年には前述のとおりZEUSとして初のソロアルバムを発表し、木下百花のシングル“えっちなこと”をプロデュースするなど、音楽家としての個性を存分に発揮した活動を繰り広げている。
また、小松は、佐野元春やOriginal Love、YUKIらのサポートドラマーとして知られる、J-Popシーン屈指のドラマーだ。彼の力強くグルーヴィーなプレイは、小松に信頼を置くアーティストたちの作品の数々やライブで聴くことができる。