2026年2月、LUNA SEAのドラマー真矢が亡くなった。その早すぎる死に多くのファンが驚き、追悼の動きが広がるなか、バンドは歩みを止めず全国ツアー〈LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-〉を開催。さらにニューシングル“FOREVER”をリリースし、追加アリーナ公演〈LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -TO RISE-〉を行うことも発表した。そこで今回は、LUNA SEAというバンドはどんなバンドなのかをライター藤谷千明に改めて解説してもらった。 *Mikiki編集部


 

Photo by 田辺佳子

LUNA SEAという存在について真矢が語った言葉

「変化をし続ける、不変的な存在――」

これは「LUNA SEA GOD BLESS YOU ~One Night Dejavu~ 2007.12.24 TOKYO DOME」に収録されているドキュメンタリー映像にて、LUNA SEAという存在について真矢が語った言葉である、そしてこう続けている。

「色んな意味でね、奇跡を、身をもって体験できる存在かな」

LUNA SEA 『LUNA SEA GOD BLESS YOU ~One Night Dejavu~ 2007.12.24 TOKYO DOME』 avex trax(2008)

2000年の〈終幕〉後は各々のソロやユニットで活動していたLUNA SEA。2007年の〈GOD BLESS YOU ~One Night Déjàvu~〉(以下〈One Night Déjàvu〉)での1日復活、その翌年の〈hide memorial summit〉への出演を経て、2010年に〈REBOOT〉を宣言。過去の伝説ではない、現役バンドとしてのLUNA SEAの活動がスタートした。もう16年も前の話になる。〈One Night Déjàvu〉に至っては約20年前のことだ。本記事のためにDVDを戸棚から引っ張り出して再生した筆者は、当時は年上だった映像の中のメンバーの若さに眩しく感じた。そんな日が来るとは思わなかった。

筆者がLUNA SEAと出会ったのは14歳の頃、中学生だ。〈One Night Déjàvu〉のときは20代、友達と観に行った。現在は45歳である。人生の大部分において〈SLAVE(LUNA SEAのファンの総称)〉をやっていることになる。

LUNA SEAは彼らの結成記念日でもある5月29日の神奈川県・秦野公演を皮切りに全国22都市33公演の〈LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-〉をスタートさせた。

 

REBOOT後、アルバムや主催フェスで体現した奇跡

2010年のREBOOTの翌年、2011年の3月に1stアルバム『LUNA SEA』のセルフカバーアルバム『LUNA SEA』をリリース。4月に東日本大震災復興支援チャリティーとして“PROMISE”を配信、2012年の“THE ONE -crash to create-”、や、『The End of the Dream / Rouge』をリリースを経て、『A WILL』が我々の手に届けられたのはREBOOTから約3年が経過した2013年の12月だった。〈待望のオリジナルアルバム〉という期待をものともしない、〈遺書〉というタイトルに相応しい現在のLUNA SEA、現在の5人を表現した1枚となった。

LUNA SEA 『LUNA SEA』 HPQ(2011)

LUNA SEA 『A WILL』 ユニバーサル(2013)

新作やツアーだけではない。2015年には初めての主催フェス〈LUNATIC FEST.〉も開催された。このフェスはLUNA SEAのルーツにあたるDEAD ENDやD’ERLANGER、BUCK-TICK。X JAPANを筆頭にLADIES ROOMやTOKYO YANKEES、GLAYといったエクスタシーレコードの面々。ほかにもSIAM SHADE、DIR EN GREY、MUCC、凛として時雨、9mm Parabellum Bullet――並べていくとキリがないのだけれど、当日のMCでRYUICHIが「ロックの地層」と表現したように、日本のロックシーンにおいてLUNA SEAがどのような存在であるかを雄弁に語るラインナップであった。

冒頭で引用した「奇跡を、身をもって体験できる存在」という言葉は真矢のものだ。このフェスの2日目、“Metamorphosis”を聴いたとき、〈ああ、自分はいま現在のLUNA SEAを体感しているんだ〉ということを、本当に奇跡のように感じて、なぜだかひどく感慨深くなったことを覚えている。

2017年にはアルバム『LUV』をリリース。ライブでの真矢のドラムソロを彷彿とさせるバンド初のインストナンバー“Ride the Beat, Ride the Dream”が収録されるなど、LUNA SEAの世界を拡張するような一作となった。そして翌2018年には早くも2度目となる〈LUNATIC FEST.〉を開催し、その前後には〈VISUAL JAPAN SUMMIT 2016〉、SUMMER SONIC初の海外開催となった〈SUMMER SONIC SHANGHAI 2017〉や、西川貴教主宰の〈イナズマロック フェス 2018〉などの大規模フェスに出演するなど、精力的な活動を展開した。

LUNA SEA 『LUV』 ユニバーサルJ(2017)

 

Photo by 田辺佳子

大人になったが、丸くなってはいない

REBOOT後のインタビュー記事で印象に残っているものがある。

RYUICHIが、〈One Night Déjàvu〉を振り返ってこんな話をしていた。

2007年に「One Night Déjàvu」 をやったときに、本当のグルーヴを手に入れたという気がすごくしたんですね。あのライヴで、“LUNA SEAってすごく上手くなったな”と思った人がきっとたくさんいたと思うんですけど、上手くなったのはテクニックが上がったというよりは、みんながいろんな人たちとプレイして戻ってきたけど、原点はLUNA SEAだから、お互いのクセというのを一番よく知ってる…。そのお互いのクセが噛み合ったときの威力ってすごいんだ、ということをあそこでメンバー同士が再認識したんじゃないかと今では思うんです。

「フールズメイト」2013年2月号 10ページ インタビュアー・東條祥恵

一方で真矢はこうも語っている。

バランスよくみんな人の意見を聞けるようになったかな。40歳過ぎてやっとね。がはははははっ(笑)。だから、ライヴがよくなるんですよ。人の音が聞けるようになったから。

「フールズメイト」2013年2月号 24ページ インタビュアー・東條祥恵

「昔のLUNA SEAは人の音なんて聞いてなかったんですか?」というインタビュアーをつとめる東條祥恵氏の問いに対して、「う~ん……………聞こえてはいたんじゃないですか(笑)」、「聞こえてた、ぐらい(笑)。僕もそうだったし。今は人の音を聞こうとしてるよね」と答えている。

こういった発言からもLUNA SEAというバンドの、共同体としての成熟を感じたのだった。

月並みにいってしまえば〈大人になった〉といえるのかもしれないけれど、それを〈丸くなった〉と呼ぶかどうかはまた別の話で。まぁ丸くなったバンドは40代で武道館6日連続公演をやったりしないか(これらのインタビューは〈LUNA SEA LIVE TOUR 2012-2013 The End of the Dream〉の日本武道館6 DAYSを控えた時期のものである)。

〈丸くなっていない〉といえば、2017年の〈テレビ朝日ドリームフェスティバル〉も強く印象に残っている。WANIMAやTHE ORAL CIGARETTESといった人気バンド・アーティストが出演するなか、トリをつとめたLUNA SEAのステージは、アリーナ会場をまるで自分たちの庭のように扱っていた。その余裕にはキャリアの厚みを感じさせると同時に、いい意味での大人気なさがにじんでいた。

 

強烈な個性が互いの音を聴き、噛み合わった現在のバンド

そして、2019年には通算10枚目のアルバム『CROSS』がリリースされる。本作の共同プロデューサーとしてスティーヴ・リリーホワイトの参加が発表された。

LUNA SEA 『CROSS』 ユニバーサル(2019)

『CROSS』リリース時に、NME JAPANに掲載されたSUGIZOとの対談で、スティーヴは5人をこう評している。

「今の僕はLUNA SEAをある意味、アニメのキャラクターのように捉えている。でも、これがまたいいんだ。そのおかげで素晴らしいバンドになるんだからね」

メンバーそれぞれが個性的なので、ある種キャラクターのように捉えるのは判るのだが、90年代と現在とでの決定的な違いは、その〈キャラクター〉が互いをぶつけ合うのではなく、響き合っているということだろう。90年代のLUNA SEAが、五者五様のエゴをぶつけ合うことで生まれる緊張感のバンドだったとすれば、現在の彼らは、それぞれの強烈な個性をそのままに、互いの音を聴き、噛み合わせることで成り立っている。前述したRYUICHIの「お互いのクセが噛み合ったときの威力」、真矢の「人の音が聞けるようになった」という言葉が思い出される。

2023年、『MOTHER』と『STYLE』のセルフカバーアルバムが同時発売された。原曲の輪郭はそのままに、しかし確かに現在進行系の音として完成されている2作は、冒頭の真矢の語る「変化をし続ける、不変的な存在」という言葉をそのまま体現したかのように思える。

LUNA SEA 『MOTHER』 avex trax(2023)

LUNA SEA 『STYLE』 avex trax(2023)

 

Photo by 田辺佳子

奇跡はいまもまだ続いている

「変化をし続ける、不変的な存在」、そして「奇跡を、身をもって体験できる存在」。この言葉が語られたのは〈One Night Déjàvu〉、まだLUNA SEAが現在進行形のバンドとして戻ってくる前のことだ。それはまだ不確定の、これから先の未来に向けられた言葉だった。

REBOOTから16年、彼らは本当に変化し続け、そして本当に変わらないものを抱え続けてきた。3枚のオリジナルアルバムも、3枚のセルフカバーアルバムも、3度の主催フェスも、そして幾度となく重ねたライブも、あの頃に望んだ未来をひとつひとつ形にしていく過程だった。活動するフィールドは広がり、かつての彼らならやらなかったであろう試みを目にすることもあった。それは、人が年を重ねるということの、ひとつの理想的な形のようにも思えた。

そんな中で、今年2月、かねてより闘病を公表していた真矢が逝去した。

「変化をし続ける、不変的な存在」。あの日真矢が語った言葉は、いま、まったく別の重さをもって響く。それでも――彼が遺した「奇跡を、身をもって体験できる存在」という言葉のとおり、その奇跡はいまもまだ続いている。

このツアーのタイトルは〈LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-〉。終わらない旅、そして、永遠。

 


LIVE INFORMATION
LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -TO RISE-
2026年12月12日(土)兵庫・神戸ワールド記念ホール
2026年12月13日(日)兵庫・神戸ワールド記念ホール
2026年12月19日(土)東京・有明アリーナ
2026年12月20日(日)東京・有明アリーナ

LUNA SEA TOUR 2026 UNENDING JOURNEY -FOREVER-
※全公演SOLD OUT!!
2026年5月29日(金)神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホール
2026年5月30日(土)神奈川・クアーズテック秦野カルチャーホール
2026年6月5日(金)大阪・大阪国際会議場メインホール
2026年6月6日(土)大阪・大阪国際会議場メインホール
2026年6月12日(金)高知・新来島高知重工ホール オレンジホール
2026年6月13日(土)香川・レクザムホール
2026年6月19日(金)栃木・宇都宮市文化会館 大ホール
2026年6月21日(日)群馬・高崎芸術劇場 大劇場
2026年6月25日(木)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2026年6月26日(金)埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール
2026年7月4日(土)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
2026年7月5日(日)愛知・愛知県芸術劇場 大ホール
2026年7月11日(土)茨城・ザ・ヒロサワ・シティ会館 大ホール
2026年7月12日(日)神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホール
2026年7月20日(月)北海道・札幌文化芸術劇場hitaru
2026年7月25日(土)千葉・森のホール21 大ホール
2026年7月26日(日)千葉・森のホール21 大ホール
2026年7月30日(木)大阪・オリックス劇場
2026年7月31日(金)大阪・オリックス劇場
2026年8月8日(土)新潟・新潟県民会館
2026年8月15日(土)山形・やまぎん県民ホール
2026年8月16日(日)岩手・盛岡市民文化ホール 大ホール
2026年8月28日(金)広島・上野学園ホール
2026年8月29日(土)広島・上野学園ホール
2026年9月20日(日)熊本・熊本城ホール
2026年9月22日(火)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
2026年9月23日(水)福岡・福岡サンパレス ホテル&ホール
2026年10月3日(土)宮城・仙台サンプラザホール
2026年10月4日(日)宮城・仙台サンプラザホール
2026年10月10日(土)鳥取・米子コンベンションセンター
2026年10月11日(日)岡山・倉敷市民会館
2026年10月17日(土)愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
2026年10月18日(日)愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

公演詳細はこちら:https://www.lunasea.jp/live/2026tour

 

RELEASE INFORMATION

LUNA SEA 『FOREVER』 avex trax(2026)

リリース日:2026年5月29日(金)
品番:AVCD-61715
価格:1,100円(税込)

TRACKLIST
1. FOREVER
2. FOREVER (Instrumental)

 

LUNA SEA, GLAY 『The Millennium Eve 2025 LUNA SEA | GLAY』 Millennium(2026)

リリース日:2026年5月27日(水)

■【初回生産限定盤】豪華盤アナログ型 BOX(Blu-ray)
品番:MLEV-0001
価格:16,500円(税込)

■【通常盤】Blu-ray
品番:MLEV-0002
価格:7,700円(税込)

■【通常盤】DVD
品番:MLEV-0003
価格:6,600円(税込)

TRACKLIST
GLAY
1. WET DREAM
2. MERMAID
3. サバイバル
4. 口唇
5. pure soul
6. HOWEVER
7. 月に祈る
8. THINK ABOUT MY DAUGHTER
9. メドレー
・whodunit
・JESUS / LUNA SEA cover
・whodunit
10. 誘惑
11. さよならはやさしく
12. BEAUTIFUL DREAMER

LUNA SEA
1. STORM
2. Dejavu
3. DESIRE
4. SHINE
5. IN SILENCE
6. SEARCH FOR REASON
7. I for You
8. SOUL LOVE
9. BELIEVE
10. ROSIER

テナシー
1. TRUE BLUE

THE★BAND
2. BELOVED

LUNA SEA | GLAY
3. WISH

特設サイト:https://themillenniumeve2025.com/