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渋谷系的洒脱さに満ちた神前暁の劇伴

また、神前は挿入歌/主題歌に加えて本作のスコア群も担当。こちらはPIZZICATO FIVEやcapsule、Cymbalsなどがリファレンスとして上がっていたそうだが、小気味よいスキャットを交えたソフトロック“SOS団始動!”、ティンパニ〜コンガ〜シタールと連なるグルーヴチューン“おいおい”、シネマティックなモノクロームジャズ“ザ・ミステリアス”、流麗なストリングスが躍るラウンジーなテクノ“好調好調”、やたらと圧の強いHCFDM“激烈で華麗なる日々”、バート・バカラックな“冬の足音”“いつもの風景”……と、ジャンルレスにも程がある劇伴を展開。まさに90年代の渋谷系──洒脱なコラージュポップを彷彿とさせる広範な音楽性は、いま聴いても本当に楽しく興味深いものだ。

VARIOUS ARTISTS 『涼宮ハルヒの完奏〜コンプリートサウンドトラック〜』 ランティス(2016)

そんなふうに、のっけから自身の引き出しを大開放することでアニメ音楽の世界へ足を踏み入れた神前暁や、のちに田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)らと共にQ-MHzを結成することになる田代智一と畑亜貴など、20年後の現在もシーンの中心で活躍し続けている才能たちの原点を確認することのできる「涼宮ハルヒ」シリーズの音楽。アニメ化20周年を記念した公式サイト〈涼宮ハルヒの御礼〉では本作のテーマソングやキャラソンをまとめたプレイリストも公開中だが、劇伴も含め、〈アニソン〉という枠組みを超えた普遍的なポップスの数々を、この機会にぜひ体験してほしい。