クラウド・ラップ勢へのトラック提供をはじめ、カニエフランク・オーシャンからグライムスのリミックスなどの多作ぶりで注目を集めてきたカナダの俊英から2作目が届いた。チルウェイヴの甘い逃避行とトラップを組み合わせたグローバルなスタイルは鳴りを潜め、リミックスで絡んだTaquwamiや、SeihoQrionらのシーンにも精通している彼らしく、日本産エレクトロニカの影響を色濃く滲ませているのは興味深い。アレックスGとの“Too Long Here”やドーン・ゴールデンとの“Snow In Newark”、“Walk Me Home”などのヴォーカル曲では出自のエモへと回帰した淡いメロディーが絶品だ。それこそJ-Popのリスナーにまで届いてもおかしくないこの無垢な叙情感が、今後どう育まれていくか要注目。