ALL BECAUSE OF...
二重の意味でクロスオーヴァーな存在感はいよいよ最高潮だ! 来日公演も控える説明不要の人気者、エズラ・コレクティヴが待望の新作『Here Because Of Hope』をついにリリース! より強靭なグルーヴは聴く者をどこへ連れていくのだろう?

彼らが示す先の〈希望〉とは?
南ロンドンのコミュニティから飛び出し、いまや世界中のフェスでヘッドライナーを務めるほどの成長を遂げた5人組が、2年ぶり4作目となるアルバム『Here Because Of Hope』をリリース。壮大でエモーショナル、そして深いリズムに満ちた本作は、精神的かつ地理的な3つのムーヴメントに分かれた作品として構想されており、レティーシャ・ライトによるポエトリーを案内役にアフリカの音楽からカリブ海のリズム、そしてロンドンのストリートへと至るまで、長い年月と、そして大陸を越えて移動してきたブラック・ピープルの歩みを辿っている。また、人々が直面している痛みや困難にフォーカスし、そこから喜びへと至る旅路をも表現した内容だ。そうした意味で、ガンビアにルーツを持つラッパーのパ・サリューを迎えた“Only Love”、新世代のレゲエ・シーンを牽引するリラ・アイケを迎えた“Well Organised”など、ヴォーカル曲におけるメッセージ性は強い。また、強靭なグルーヴを披露する“Jubilee Feeling”をはじめとするインスト曲はこれ以上ないほどの喜びに満ちている。彼らが指し示す先の〈希望〉に一体何が待ち受けるのか。新章の幕開けであると共に、シーンの趨勢をも左右する作品であることは間違いなさそうだ。 *藤堂輝家
雄弁なインストゥルメンタルが綴るストーリー
かっこいい英国ジャズの象徴でもあり、ジャズを起点としたかっこいい何かの象徴でもある。この世代を代表する英国のバンドとさえも言える。エズラ・コレクティヴの奏でるグルーヴはそんな印象だ。フェミ・コレオソ(ドラムス)、TJ・コレオソ(ベース)、ジョー・アーモン・ジョーンズ(キーボード)、ジェイムズ・モリソン(サックス)、イフェ・オグンジョビ(トランペット)の5人組は、ジャズ・アーティストとしては初めてのマーキュリー・プライズを受賞し、さらにブリット・アワードの〈グループ・オブ・ザ・イヤー〉も獲得。従来のジャズを見る評価軸とは違う場所でも自然に受容されているのが凄い。音源リリースという点においてはジョー・アーモン・ジョーンズの凄まじさが抜きん出ていたように思うが、個々がさまざまな場で演奏したことで持ち寄ったエネルギーがコレクティヴという場において最大限に熱くクールに燃えたぎっている。そんなわけで、通算4作目にあたる『Here Because Of Hope』はよりコンシャスかつコンセプチュアルなストーリーを雄弁なインストで綴ったシャープで雄大なアルバムだ。国境を易々と超える声のゲストたちによるパフォーマンスも聴きどころで、そのなかに久々の大舞台だと思しきレオナ・ルイスの名前があるのも素晴らしい。来日公演に行こうが行くまいが、これはぜひチェックしてほしい一枚だろう。 *亜蘭済士