この日本のジャズフュージョンシーンにおいて、近年若手の台頭には目を見張るものがある。過去の先鋭的な作品を古典として捉えるこの世代は、スタート地点が昔とは大きく違う。故にその進化や成長スピードも大きく異なるものだ。そんな印象を強く受けたのが本作。先人の影響を受けつつもそれらをキッチリ消化した楽曲と演奏。そこには模倣に終わらないオリジナリティを模索する葛藤も垣間見える。創りこんだ世界観と気持ち良いグルーヴの追求したいと考える二律背反。それも本作の魅力でもあり、まだまだ成長過程にある有望なギタリストだと感じさせる。ゲストミュージシャンも上原ひろみを筆頭に豪華な布陣。