10作目なのに『17』なのは、結成17(イナ)年に掛けたから。いつか17作目を出すときにややこしくなるんじゃね?と思うが、先のことは知らんとばかり、前のめりの疾走感に笑いも涙もたっぷり加えた得意のロック応援歌が今回の新作も山盛りだ。
ただし変化はもちろんあって、しばらく続いたセルフ・プロデュース路線をお休みして白井良明に2曲を任せ、鍵盤に伊東ミキオと渡辺シュンスケ、ホーンに勝手にしやがれのメンバーを迎えたサウンドは、これまで以上に熱量が高め。特に冒頭の“ジャパニーズドリーム”は4つ打ちなのに全然今風じゃなく、垢抜けないディスコ・ロック的なムードが逆に彼ららしさを強調していてカッコイイ。軽快なステップを踏むルーツィーなスカ・チューン“友情のメロディ”、ホーンが豪快に唸るオールディーズなロックンロール“NATURAL MONSTER”など、シンプルで熱いアップテンポの曲が続くなか、〈きっと僕ら 青春を こじらせて〉というフレーズが飛び出す“君の笑顔にはかなわないよ”のような、大人の生活感を盛り込んだラヴソングでほろりと泣かせるのも憎い。
青春をこじらせ、ジタバタしながらそれでも前向きに生きたいと願うあなたへ。イナ戦の歌の効き目を一度お試しあれ。
▼THEイナズマ戦隊の近作を紹介
左から、2011年作『愛とファイター』、2012年作『GLORY DAYS』(共にSMALLER)
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