ケラの2つのバンド作品が、2013年に復活したナゴムよりほぼ同時リリースされますよ。
一枚は、解散時のメンバーで再結成を遂げた有頂天のミニ・アルバム『lost and found』。プログレめいた奇天烈なフォルムとポップな面持ちとを兼ね備えた5曲は、後期有頂天の延長線上に位置付けられるもので、25年の空白を感じさせぬ勢いに満ちています。とりわけポジティヴなエナジーを放出する“猫が笑う希望の歌”が感動的な仕上がり!
もう一枚は、ケラ&ザ・シンセサイザーズによる6作目『BROKEN FLOWER』。こちらはサイケ、ポルカ、フォーキーなワルツなどを呑み込んだ無国籍で壮大な作品となっており、岸田繁や白井良明、田渕ひさ子ら錚々たるギタリスト陣が、もとより多様な楽曲の個性を際立たせているのが凄い。パンキッシュな“ロケット・ソング”など、持ち前のニューウェイヴ魂を充填させたナンバーも健在ながら、間違いなくバンド史上最高に振り切れた異色の傑作でしょう。なお、ケラは年内に鈴木慶一とのNo Lie-Senceの2作目、自身が参加したステージをまとめたライヴ盤、ソロ作を発表予定とのこと。音楽家として2015年をワーカホリックに駆け抜けるようです!