2015年2月10日
Miho Fukuhara & The Culture xxx 〈THE SOUL EXTREME SESSION〉
@ shibuya duo MUSIC EXCHANGE

福原美穂の真骨頂を見たような思いだ。時に全開の笑顔で、時にすべての喜びや哀しみを受け入れるような慈愛に満ちた表情を浮かべながら、全身を使って歌い上げる彼女の姿は、実に輝いていた。

Miho Fukuhara & The Culture xxx(xxxの部分は書いてもいいと思うのだが、一応伏せておくので知らない人は各自調査を!)として行われた2年ぶりの〈THE SOUL EXTREME SESSION〉。往年のソウル/ファンクをはじめとする名曲群に加えて自身の楽曲もソウル・アレンジで披露する本企画、福原のバックでタイト&クールなグルーヴを紡ぎ、主役の歌を引き立てながら痺れるプレイを聴かせたのは、バンマスの高野勲(キーボード)に藤井一彦(ギター/THE GROOVERS)、ナガイケジョー(ベース/SCOOBIE DO)、みどりん(ドラムス/SOIL & "PIMP" SESSIONS)、田中和(トランペット/勝手にしやがれ)、田浦健(サックス/勝手にしやがれ)、そしてコーラスの高城奈月子SOULMATICS)というメンバーだ。

 

 

佇まいからしてすでに格好良いバンド・メンバーが登場して会場を温めると、一段と華やかなイエローの衣装で福原が登場。冒頭曲のサム&デイヴ“Hold On I’m Coming”での艶のある力強い歌にさっそくグッときてしまった……。高城のコーラスとテンション高く重なった時の迫力たるや鳥肌ものだし、それをがっつり盛り立てるプレイヤー陣のナイスなアンサンブルは破壊力抜群! オーディエンスも割れんばかりの拍手でその素晴らしいパフォーマンスに応えていた。

 

 

久々に披露するという高野がアレンジを手掛けた2010年作『Music is My Life』収録曲“Touch & Love”では、その畳み掛けるような歌唱のために〈ちょっと息切れ……〉と言いながらもばっちりキメ、ファンキーにアレンジされたボブ・マーリー“Could You Be Loved”も気持ちイイ!

 

 

さらに、〈最近は悲しいニュースが多いので……〉と歌いはじめたマーヴィン・ゲイ“What’s Going On”(本当に泣きそうになった)、開演前のSEでかかっていたディアンジェロもかつてカヴァーしていたロバータ・フラック“Feel Like Makin’ Love”、自身が好きなキャンディ・ステイトンのヴァージョンだという“Stand By Your Man”と、福原得意のソウル・チューン群はもう流石の一言だ。世界中で錚々たる面々に歌い継がれてきたこれら名曲中の名曲も、借り物でなくしっかり彼女の歌に聴こえるのだから!

 

 

 

サイモン&ガーファンクル〈明日に架ける橋〉と自身の“あいのうた”を披露した、藤井のギターとホーン・コンビとのアコースティック・コーナーでは、抑制の効いたスキルフルな歌唱に吸い込まれそうになる瞬間も。そんな素敵な仕上がりで心を掴む一方で、バンド・メンバーを巻き込んでの福原の陽気でとりとめのないお喋りが聴けたMCもまた一興だった。

 

 

 

そして終盤に入り、マーヴィン・ゲイ&タミー・テレル“Ain’t No Mountain High Enough”を取り込んだオリジナル曲“ライジング・ハート”、オーディエンスとのコール&レスポンスも盛り上がったレゲエ版のアリシア・キーズ“No One”などでジワジワとテンションをMAXに近付け、本編最後の〈No Warning ~I Wanna Take You Higher〉ではそれまででいちばんのブチ上がり!

 

 

なぜか酸素スプレー(使い方はわからないらしい)を片手に福原がステージへ登場したアンコールでは、賑々しくロックンロールしてみせたエルヴィス・コステロ“(What’s So Funny Bout’) Peace, Love And Understanding”なんてチョイスも。また、個人的にこの日いちばん感激したジャニス・ジョプリン“One Night Stand”を披露しつつ、最後はタイトル通り優しく穏やかに歌い込んだ自身の“優しい赤”を丁寧に届け、今回の〈THE SOUL EXTREME〉は幕を閉じた。

 

 

息が詰まるほどの感動をもたらす、大袈裟でなく神々しいまでの存在感。福原美穂がステージで見せた姿は、まさにソウル・ディーヴァそのものだった。

 

 

【SET LIST】
1. Hold On I’m Coming(SAM & DAVE)
2. No Parking
3. 未来-ミライ-
4. Touch & Love
5. Could You Be Loved(BOB MARLEY)
6. What’s Going On(MARVIN GAYE)
7. Feel Like Makin’ Love(ROBERTA FLACK)
8. Stand By Your Man(CANDI STATON)
9. 明日に架ける橋(SIMON & GARFUNKEL)
10. あいのうた
11. ライジング・ハート
12. No One(ALICIA KEYS)
13. BAD THING
14. No Warning ~I Want To Take You Higher(SLY & THE FAMILY STONE)~

En1. (What’s So Funny Bout’)Peace, Love And Understanding(ELVIS COSTELLO)
En2. One Night Stand(JANIS JOPLIN)
En3. 優しい赤