Pファンクは死なず!というか、それはそもそもどこかへ行ってしまう類のものではない。総帥ジョージ・クリントンにとって6年ぶりの新作『First Ya Gotta Shake The Gate』は、ファンカデリック名義による33年ぶりのアルバムとなった。実際は89年制作の『By Way Of The Drum』も2007年に蔵出しされ、以降もパーラメント・ファンカデリックを冠した『Dope Dogs』(94年)があったりして特性はぼんやりしていたから名義に過剰な意味を感じはしないが、それでもワクワクするのは仕方ない。
今回は33曲をCD3枚に収録していて、スライ・ストーンやトレイリュード、ゴッズ・ウェポン(ジョージの孫、トラファエルのロック・バンド)らの実質的なソロ曲も交えた構成は、2005年のオールスター作『How Late Do U Have 2BB4UR Absent?』にも通じるゴッタ煮の作りだ。ファンカの象徴たるエディ・ヘイゼルを筆頭に、ゲイリー・シャイダーやジェシカ・クリーヴス、ベリータ・ウッズら鬼籍に入った面々の登場には意図を感じるものの、スヌーパデリックの演奏による“Radio Friendly”など過去曲の再構築も交えつつ、若者も故人もお構いなしに召還する御大の編集センスに懐古はない。むしろダニー・ベドロシアンやGクープら若きクローンや外部のソウル・クラップらに音構築を委ね、新旧プレイヤーの演奏に孫のサティヴァやトレイゼイら次世代メンバーを融合してPの感覚や精神を伝えんとする意識が窺える。60年の歴史に育まれた意識体の現在進行形を確認できる大作!