前作『War & Leisure』から8年という長いブランクを経ての5作目だが、その間に生じた精神的な迷いや生活の変化を昇華した作品となっている。ギターが響くロック・サウンドに乗せて怒りや痛みを表現しつつ、我が子に捧げる“Angel’s Song”では静謐な美しさを示し、甘美なスロウ“Always Time”にはミゲルらしいドリーミーさもあって、掲題通りにカオスな感情を吐き出したような内容だ。ラストの“COMMA / KARMA”はジョージ・クリントンの語りをフィーチャーした、プリンスの姿が見え隠れするような妖艶な一曲。R&B/ロックスターの帰還とこれからの展開を予感させる転機の一作。