〈未来からやって来た詩人の架空の物語〉をコンセプトとした新作は、壮大なSF映画のサントラのようなドラマ性の高い一枚。多数のヴォーカリスト/ラッパーが参加した前作『DAPPER』からは一転し、インスト主体となっているが、今回は2人のドラマーが参加していて、“Monad”では石若駿がドラムンベース風の高速ビートを手数多く叩きまくり、“Reptilian's Dance”ではEXILEのATSUSHI率いるRED DIAMOND DOGSのメンバーでもあるFUYUが、ハードコアとフリージャズの中間のような楽曲に大きく貢献。みどりんも長岡亮介が歪んだギターを掻き鳴らす“Lyra's Attack”でグルーヴを担うなど、2010年代におけるシーンの交配をリードしたのはジャズ・ドラマーの存在だったことを改めて印象付けている。