ディランがついにフランク・シナトラを歌う! 〈次はこうきたか〉と御大の新作に心から驚くことができるこの幸せ。意外性の塊のような内容だが、豪勢なビッグバンドは登場せず。ギター・コンボ編成によって、「カヴァーされすぎて本質が埋もれてしまった」と語るスタンダードをざっくり調理している。それにしても、しみじみとした趣を醸すクルーナー・ヴォイスのカッコ良さったら。都会派ディランの面目躍如的な傑作だ。