さまざまな舞台で活躍する気鋭のミュージシャンたちによる詩と音楽のコラボレーション集団、VOICE SPACE。彼らが昨年11月に行った公演〈ヨコハマ・インスピレーション ―波止場の中也、風のなかの賢治―〉のダイジェスト映像が公開された。

この催しで披露されたのは、中村裕美小田朋美という2人の作曲家を含む総勢12人のメンバーよって新たな命を与えられた、さまざまな詩人の作品たち。公演タイトルにある中原中也宮沢賢治の作品を中心に、暁方ミセイ藤原安紀子による現代詩も取り上げられた。

ピアノやギターのほか、アイリッシュ・フルートや琴、尺八、鼓などが混在する不思議な楽器編成。第一線で活躍するソプラノ歌手の小林沙羅薬師寺典子吉成文乃といった声楽家、それぞれの活動でヴォーカルを務めている古川麦や小田らだけでなく、恐らく普段のステージでは歌うことのないメンバーも含めた全員が次々と声を発する構成。今回のダイジェスト映像では、それらある種のアンバランスさも独特な魅力を放つ、音楽/歌/詩/朗読といった括りを超越/拡張しようとするかのような鮮烈なパフォーマンスの一端が確認できる。