大島渚監督『戦場のメリークリスマス』が公開されたのが1983年。デヴィッド・ボウイ、ビートたけし、そして音楽と出演とで注目を浴びた坂本龍一。豪華な出演者と、美しい映像と重なるあのメロディ。忘れろっていわれたって、忘れられない。いったいどれだけのアーティスト達が影響を受けたことだろう。本作は、30年経った2014年に、WOWOWで放送されたドキュメンタリーを出版化したもの。1978年に監督が、ローレンス・ヴァン・デル・ポストの小説『影の獄にて』を読んだ時から始まった『戦メリ』の映画化の貴重な記録。歴史に残る作品が生まれる必然と情熱と勢いと。大島監督の声が聞こえて来るようだ。