インタビュー

ふぇのたす、80sニューウェイヴ風味のデジタル・サウンドで織り成すキッチュな楽曲満載のメジャー初作

ふぇのたす、80sニューウェイヴ風味のデジタル・サウンドで織り成すキッチュな楽曲満載のメジャー初作

キッチュな打ち込みサウンドに、ふんわりエモーショナルな歌声と、ちょっぴりシニカルな言葉がクセになる、噂の3人組と楽しくポーズ!

 すべての詞、曲を手掛けるヤマモトショウ(ギター/シンセサイザー)、澤“Sweets”ミキヒコ(デジタル・パーカッション)、みこ(ヴォーカル)の3人によって、2012年夏からヒストリーを刻みはじめたふぇのたす。80年代ニューウェイヴの匂いを含むデジタルなサウンドとキャッチーなメロディー、キューティーなヴォーカル――それらによって織り成される楽曲は、どこを取っても楽しくて人懐っこい。そして、ライヴでもあえてリアルタイムで叩く電子ドラムだったり、チャイルディッシュなようでいてエモーショナルなみこのヴォーカルだったり、ガイドラインからはみ出る勢いのソウルネスが、アディクティヴな魅力をさらに引き立てている。

 「同期モノはクリックに合わせてるし、基本的にはドラムもそこに合わせなきゃいけないんだけど、ライヴ感みたいなものは無視できないので、その場の熱とのかけひきみたいなものを楽しみながらやってます」(ミキヒコ)。

 「私、歌が上手くなかったんです。というか、むしろ音痴。それでも聴かせられる歌い方を一時期研究してたんですけど、その結論が、感情を込めることだったりニュアンスをつけることだったんです。それから少しずつ上達していって、いまではピッチを合わせられるようになったりとか……でも、上手くなるために最初に鍛えたときのニュアンスがいまだに残ってる。だからエモーショナルに聴こえるのかな」(みこ)。

 「判断基準も、ピッチが合ってるとかリズムが合ってるっていうことより、いまどういう気持ちで歌っていたかっていうところなんですよね。やっぱり、楽しく作ったもののほうが、きっとみんなも楽しめるはずだから」(ショウ)。

ふぇのたす PS2015 ユニバーサル(2015)

 というところで、いよいよ届けられたメジャーでの初作『PS2015』。「ちゃんと〈聴いてくれ〉って主張できる、気合いを入れて作れるサイズ感」(ショウ)ということで、インディーでの2作に続いてミニ・アルバムとなった本作には、メジャー・デビューの門出を祝うかのように逞しいビートとロマンティックなメロディーのなかにピチカート・ファイヴへのオマージュを含んだ“今夜がおわらない”を幕開けに全6曲を収録。グループの頭文字で韻を踏んでいく和やかなナンバー“ふふふ”、ズバリ〈可愛い女の子〉をテーマに編まれたラヴリーな“女の子入門”、シニカルなリリックをスリリングなビートに乗せた“ファッション戦争”、野菜とサラダの違いについて考えた“サラダになあれ”、「3人が集まって初めて合わせた曲」(みこ)というダンサブル・チューン“夜更かしメトロ”が続く。一見、グルーヴ重視で編まれているようでいて、聴き手が何か考えさせられるポイントを仕込んだリリックのセンスもお見事で、なかでも“サラダになあれ”の〈ドレッシングをかけてやさいが大好きになる〉という一節などは、「ふぇのたすを始めて、一個のことに対して楽しむ工夫をすることを学んで、こんなに人生って豊かになるんだなあって思った」(みこ)と感慨深くこれまでを振り返る言葉とシンクロしていたり。

 「今回は、“今夜がおわらない”っていうイイ曲、いまの僕らを体現する曲が出来たから、最初期からある“夜更かしメトロ”も収録できたと思ってます。もし、“今夜がおわらない”が出来てなければ“夜更かしメトロ”がリード曲になり……でも、それをもって『PS2015』っていうのはどうか。そこは自分たちで納得するものが出来ましたし、楽しい作品になったので、正味20数分、ライヴを観に来る感覚で聴いてほしいですね」(ショウ)。 

 

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 ここではふぇのたすの外仕事を一部紹介します。まずはバンドの楽曲制作を一手に引き受けるヤマモトショウ。ふぇのたすとのコラボ・ユニット〈ゆふぃたす〉も注目される寺嶋由芙には、ファースト・シングル“#ゆーふらいと”とサード・シングル“猫になりたい!”それぞれのカップリング曲を提供。意外なところでは、サンリオの人気キャラ、KIRIMIちゃん.のデビュー・シングル『KIRIMIちゃん.のうた』にもゆるさ全開の“きみきりみ”を書き下ろしています。さらにサウンド・プロデューサーとしても、南波志帆タルトタタンによるユニット=ナンバタタンの初作『ガールズ・レテル・トーク』や、タルトタタンの3作目『TARTETATIN ARE ALLRIGHT!』にてファニーな手捌きを発揮。tasotokyo名義でも活躍するシンガー・ソングライター、大石理乃の初ミニ・アルバム『魔法少女りのタソ☆彡』では編曲を担当しました。

 また、バンドとしては、クルミクロニクルのEP『Second Spring EP』に“クルリクル”の可愛らしさを強調したリミックスで参加。音楽ゲーム「太鼓の達人」に提供したトカトカ楽しいアップ・チューン“電子ドラムの達人”は、サントラ『ガールズポップマニア 太鼓の達人』にてチェックできます。ちなみにこちらで紹介した作品はすべて2014年リリースのもの。2015年も映画「おんなのこきらい」の音楽を手掛けるなど、快進撃は止まらなそうです! *bounce編集部

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