インタビュー

原田知世、ラヴソングをテーマに女優としての個性活かしてジャズなど幅広い名曲取り上げた14年ぶりカヴァー集

原田知世、ラヴソングをテーマに女優としての個性活かしてジャズなど幅広い名曲取り上げた14年ぶりカヴァー集

美しくも切ない、あのラヴストーリーのなかで逢いましょう――古今東西の名曲を題材に、歌声で綴られた10編の恋愛小説

 歌う女優。そんなイメージもいまや過去のものかもしれない。鈴木慶一トーレ・ヨハンソンなどさまざまな出会いを通じて、シンガーとして独自のスタイルを築き上げてきた原田知世。今回で4作目の共演となる伊藤ゴローをプロデュースに招いた新作『恋愛小説』は、ラヴソングをテーマにした14年ぶりのカヴァー・アルバムだ。カヴァーに対するこだわりについて、彼女はこんなふうに語ってくれた。

原田知世 恋愛小説 ユニバーサル(2015)

 「候補曲は30曲くらいあったんですけど、最終的に洋楽に絞りました。英語の歌詞なので発音をしっかり勉強して、言葉の響きを大切にして。いろんな人のカヴァーを聴いて参考にもしましたね。とにかく今回は、歌詞を書いたりしないぶん、これまで以上に歌うことに専念したんです」。

 pupa堀江博久東京ザヴィヌルバッハ坪口昌恭らがゲストで参加。ビートルズ“I've Just Seen A Face”、マルコス・ヴァーリ“If You Went Away”、 ノラ・ジョーンズ“Don't Know Why”(作者のジェシー・ハリスとデュエットで!)など、ジャンルを選ばない名曲が並ぶなか、注目は半数近くがジャズ・ナンバーだということ。ジャズは彼女にとって初めての挑戦だ。

 「最初はどんなふうに歌ったらいいんだろうって悩んだりもしましたが、ジャズらしく歌うより自分らしく歌うことを心掛けました。そこで思いついたのが〈演じるように歌うこと〉だったんです。別のキャラクターになって歌うことで、自分なりのアプローチができるんじゃないかって」。

 例えばメロディー・ガルドー“Baby I'm A Fool”を聴いてみれば、その洒落た歌い回しに、瑞々しいスキャットに、〈知世ジャズ〉を感じることができるはずだ。「これまでは女優と歌手を自分のなかできっちりと分けてきた」という彼女が、初めて女優という個性を歌に活かすことに挑戦して新境地を拓いた本作。女優と歌手、共に30年を越えるキャリアを持つ彼女だからこそ歌うことができた恋心に、胸が高鳴るアルバムだ。

TOWER DOORS