すでに脱退済みの野村を除く4人で制作された初作にして、メンバーにとっては〈0枚目〉にあたる位置付けだという一枚。ベースとなる音楽性は現在と同様だが、ジャケの如く、杉浦茂の漫画のようにとぼけた音世界を全力で鳴らしている様がフレッシュ!
まさに〈慰安〉されるエキゾでラウンジな音の旅に誘うミニ・アルバムながら、目の前に現れる景色はやっぱりどこかヘン。一発録りにおけるミュージシャンシップもしっかり垣間見せつつ、ぷかぷか歌うトロンボーンが見たことあるようなないような場所へ連れ出してくれる。
当時の星野の発言を借りれば、「生活っていうのは、こんなにくだらなくて、おもしろい」。そんな日常音楽を高田漣やトウヤマタケオらと共に作り上げた初フル作は、演奏の起爆力と脱力ぶりの加減が彼ららしい。ハマケンのラップもどきにも注目!
SAKEROCKが担当してきた劇団ペンギンプルペイルパイルズの劇中音楽から選りすぐった全29曲。名曲と珍曲が入り乱れるなかには当時のバンドの定番ナンバーのオリジナルにあたる音源もまぎれており、本作は言わば、この時点での彼らの裏ベスト?
北野武や竹中直人作品の助監督を経てデビューした、大崎章の映画のサントラを担当。その饒舌な演奏は、作中に流れるシュールな笑いとじんわり温かい人間ドラマを伝えてくる。ハマケンが演歌歌手ばりのこぶしを回すボーナス・トラック“昭和報われない音頭”もどうかしてるほどのインパクト!
ハナレグミを迎えた“インストバンドの唄”や、初のカヴァー曲となった名作ゲームソフト「MOTHER」のテーマや“スーダラ節”などをアクセントに、アナログ・レコーディングによってほっこり具合が前面に出た2作目。泣けて笑えて踊れてしまう、歌心に満ちたインスト曲がズラリ。
永島慎二の漫画を原作とする犬童一心監督作品のサウンドトラック。嵐のメンバーが演じた60年代の若者たちを主人公とする青春映画を、レイドバックしたサウンドで後押し。ほんのりセピア色の音像のなかに、昭和38年の東京は阿佐ヶ谷の街並みを甦らせている。
細川徹が脚本、大宮エリーが演出を担当したピエール瀧の初主演ドラマのサントラをSAKEROCKが手掛けるという、このうえないマッチング。星野が歌うテーマソング“おじいさん先生”をはじめ、のんびりとした時間の流れるナンセンス音楽がたっぷりと。
ハマケンのトロンボーンと並ぶ新たなメロディーの担い手として、星野のマリンバをフィーチャー。初の完全インスト作品では、野村のキーボードとチェロ&ヴァイオリンを招いた7人編成での躍動的なバンド・アンサンブルが楽しめる。内田直之がミックスした〈ホニャララ〉なムードにバンドの本気を見る一枚だ。
冒頭からエレキ・ギターの乾いたリフに驚かされる4作目は、結成10周年を数えた彼らの歴史上でもっともロッキッシュ&ラウドな作品に。メロディーには相変わらずの人懐っこさとユーモアが滲んでいるものの、MUDAを削いで4人きりで挑んだソリッドなプレイが鮮烈に印象に残る。
キャリア初のベスト盤。ここが初出となった現役メンバー3人での“Emerald Music”をラストに、代表曲と共に彼らの音楽的変遷を辿るDisc-1と、レア曲やコラボ曲、カヴァーなどを収めたDisc-2から成る2枚組は、入門編として最適!