IF YOU'RE READING THIS ITS (NOT) TOO LATE
[ 緊急ワイド ]インディー・ポップ百景
10年代も半ばまで過ぎました。まだそんなこと言ってんの?という声もおありでしょうが、旬も流行も浅薄な理屈も時代のムードも超えた地平で響いてほしい音楽たちは、世界中から毎日のように登場しています!

 


 

YUMI ZOUMA EP I & EP II RALLYE(2015)

ロードのツアー・サポートに抜擢されて話題を呼ぶカシーネ所属の男女トリオが、この半年間で発表した10インチ音源をCDにまとめて日本デビュー。ナイト・ジュエルから実験性をカットしたようなフローティング・インディー・ファンクは、ダルな気分にピッタリはまる黄昏時のサウンドトラック。 *山西

 

 

DAOKO DAOKO トイズファクトリー(2015)

“水星”のオリジナル詞によるリメイクなど数曲でPARKGOLFがトラックメイクしたメジャー・デビュー作。他にも小島英也ORESAMA)らが名を連ねるが、大人目線の〈イマっぽさ〉を結晶にした感じが興味深い。受け手のイマジネーションに像を委ねていた思春期も終わり、どう開花していくのか楽しみ! *狛犬 

 

 

RYAN HEMSWORTH Alone For The First Time Secret Songs/Last Gang/BEAT(2014)

だから何なんだ的なジャンル論とかを前作の時点で置き去りにしていたはずの、カナダのトラックメイカー。今年出た日本盤はボートラを追加した充実仕様で、PARKGOLFとも縁深いQrionをはじめ、tofubeatsTomgggらアローン同士の素敵な交流を心地良いシンセと旋律で結わえています。 *狛犬

 

 

MR. TWIN SISTER Mr. Twin Sister Twin Group/melting bot(2014)

ドミノを離れて再出発したNYの5人組。女声とサックスを官能的に絡めたり、クール&ザ・ギャング“Summer Madness”を下敷きにしたり……アーバンかつメロウでとことんキザなサウンドは、他のドリーム・ポップよりワンランク上の大人な世界を見せてくれます。ケンドリック・ラマーも惚れ込む一枚。 *山西 

 

 

JIB KIDDER Teaspoon To The Ocean Weird World(2015)

バーガーアスマティック・キティを渡り歩いたマルチ奏者が、ドミノ傘下のレーベルに移籍して放ったアルバム。独創的としか言いようのないヴォイス加工が、『Pet Sounds』オマージュとも取れるドラッギーなソフト・ロックをさらにグニャリと歪ませています。グリズリー・ベアが嫉妬しそう! *山西

 

 

SEAN NICHOLAS SAVAGE Bermuda Waterfall Arbutus(2014)

マック・デマルコドルドラムスが多大なる影響を受けたと語る26歳の若きカリスマ。この最新作ではフェイク感たっぷりのライト&メロウなボサノヴァファンクを、涼しげな表情で奏でている。都会の喧騒にはウンザリするけど、旅に出る気力もないし……という僕らにピッタリの寝室逃避行盤。 *武田 

 

 

CONNAN MOCKASIN Caramel Phantasy/Because(2013)

中性的な魅力を振り撒くニュージーランド生まれの男性シンガー。エロール・アルカン主宰のレーベルとビコーズが共同リリースした本作は、インディーR&Bと60sサイケをぎこちなく重ね合わせた、手作り感満点の白昼夢ポップ作品に。あ、これってトロ・イ・モワの最新作と方向性は物凄く近いかも! *武田

 

 

LIA ICES Ices Jagjaguwar(2014)

ジャスティン・ヴァーノンの手を借りて2011年にインディー・フォークの傑作を送り出したリア嬢が、クラムス・カジノとのタッグでエレクトロニック方面へ路線変更。ダンスホールをモチーフにするなど、時折覗かせるトロピカル風情は〈ダウナーなM.I.A.〉といった感じで、ありそうでなかったやり口です。 *山西 

 

※【特集:インディー・ポップ百景】の記事一覧はこちら