IF YOU’RE READING THIS ITS (NOT) TOO LATE
[ 緊急ワイド ]インディー・ポップ百景
10年代も半ばまで過ぎました。まだそんなこと言ってんの?という声もおありでしょうが、旬も流行も浅薄な理屈も時代のムードも超えた地平で響いてほしい音楽たちは、世界中から毎日のように登場しています!
ライアン・ヘムズワースとの共演で注目を集めた、フィラデルフィアの21歳による初作。脱力感のあるギター、デリケートな歌声、時折飛び出す突拍子もないノイズ――粗削りな部分も多いけど、そこにピュアな衝動を感じたりして。ドリーム・ポップ通過後のダニエル・ジョンストンみたいな佇まいが良い。 *武田
XX~ロンドン・グラマーに続く存在としてUKっ子が熱を上げている5人組の初作は、ベス・ギボンズやファイストの路線を継ぐアンニュイな歌を立たせた、メロディー・オリエンテッドな仕上がりに。インディー界隈だけじゃなく、シャーデー風味を好む耳からも支持され、日本でもじわじわキテますよ。 *山西
浮かない表情のアートワークも素敵なブルーアイド・ローファイ・ファンク男子によるセカンド・アルバムだ。ケレラやデヴ・ハインズらのサポートも受けながら、グラウンド・ビートを我流に消化してみせるなど、UK産ならではのハイブリッドなサウンドを展開。スタイリッシュに踊らせてくれる。 *武田
トリッキーのPVを手掛けるなどマルチに活躍するアート集団の2作目は、ダークスターの座を脅かすようなダーク・ポップ盤。バンド・サウンドならではのダイナミズムに、ポスト・ダブステップ以降の閉塞感――もしジェイムズ・ブレイクとレディオヘッドが共演したら、きっとこんな音を鳴らすだろう。 *武田
ゾラ・ジーザスとツアー中のライリー青年は、本作でブリティッシュ・トラッドにティム・バックリー『Starsailor』みたいなジャジー味をプラス。オーソドックスな匂いをプンプン漂わせながら、音響フォーク的な聴き心地までモノにし、ドーターやエイメン・デューンズとも共鳴してみせました。 *山西
ナイーヴなファルセット・ヴォイスを震わせ、サイケデリックなフォーキー・ソウルを披露するアイルランド出身のこちらのシンガー・ソングライターは、ボン・イヴェールやアウスゲイルの〈ネクスト〉として期待される逸材だ。タイトルに反し、トロピカル要素ゼロの孤独なインドア感が妙に沁みる。 *武田