新世代のジャズ・シーンで、ロバート・グラスパーらに続くネクスト・ブレイク候補と目されているのが、マイケル・リーグ(ベース)を中心に結成された大所帯バンドのスナーキー・パピー。海外ではグラミーを受賞するなど批評/セールスの両面で既に成功を収めており、ここ日本でも過去の来日公演は大好評で、先日リリースされたばかりの最新アルバム『Sylva』によってさらなる注目を浴びることになりそうだ。ここでは、動画/音源も交えながら彼らの魅力を紹介していこう。

【参考動画】『Sylva』収録曲“The Curtain”のライヴの模様

 

2004年に結成されたスナーキー・パピーはツアーやセッションによって40人以上のメンバーが流動的に入れ替わる大所帯編成で、ノラ・ジョーンズも輩出した名門北テキサス大学の出身。ジャズを基軸にファンク、フュージョン、ダンス・ミュージックを融合させた〈jafunkadansion〉と称するサウンドが武器で、圧倒的なライヴ・パフォーマンスは世界中から賞賛されている。

インパルスからのメジャー・デビューとなる『Sylva』は、近年だとベースメント・ジャックスローラ・マヴーラ、グラスパーとも共演しているメトロポール・オーケストラとのジョイント作で、なんと参加メンバーは合計63人。グラスパーも6月に日本でオーケストラとの共演を控えているが、この『Sylva』もジャズ・バンドとオーケストラの見事な融合が果たされているのは、上掲の動画をご覧のとおり。

【参考動画】『groundUP』DVDに収録の“Thing Of Gold”ライヴ動画

 

インスト・バンドとしての魅力を味わいたいなら、通算5枚目となるDVD付き2枚組の2012年作『groundUP』がうってつけ。アメリカのiTunesジャズ・チャートで〈Best Of 2012 Albums〉にも選出されただけあり、多彩で勢いのあるアンサンブルを堪能できる。実はこちらも、Agate/インパートメントより日本盤がリリースされたばかり。

 

レイラ・ハサウェイの優雅でパワフルな熱唱が沁みるこの“Something”で、バンドはグラミー賞ベストR&Bパフォーマンス部門を受賞。ジャンルを超えた認知を得ることになる。同曲も収録された2013年作『Family Dinner - Volume 1』は、全曲でシンガーをフィーチャーした聴き応えのあるライヴ作だ。

 

最後に、17分を超えるグラスパーとの熱いジャム・セッションの模様を。この共演が日本でも見たい!