イケメンなのにヒゲ女装して歌うことで話題を集めた、2014年版〈ユーロヴィジョン〉の優勝者による初作。その容姿にも増して圧倒的な歌唱力に驚かされる。アッパーなダンス曲での伸びやかなヴォーカルは聴く者を昂揚させ、サム・スミスに通じるミディアム・チューンには哀愁が漂い、朗々と歌い上げるバラードは胸を熱くする。声自体に強さと弱さ、迫力と妖艶さと憂いが混ざっているのだ。何ともドラマティックな一枚!