コラム

ブラウンズウッドの大型新人、ダイメ・アロセナの処女作はジャイルズ主導でキューバの神秘性とソウル宿らせた傑作

あのジャイルズを魅了した、スピリチュアルなキューバの秘宝

 〈ジャズ歌手〉ということではホセ・ジェイムズザラ・マクファーレンを輩出してきたブラウンズウッドだが、このダイメ・アロセナはそうした名前とはまた少し趣を異にするシンガーだ。現在22歳の彼女はキューバで8歳から活動している若きヴェテラン。エラ・フィッツジェラルドに憧れてきたというプロフィールも頷ける歌の表現力と包容力は、一聴して格の違いを認識させるもの。なおかつサンテリア(キューバの混淆宗教)やクラシック音楽を背景に持つことが、先人とはまた異なるエレガンスをそこに宿らせているのだろう。

DAYME AROCENA Nueva Era BEAT/Brownswood(2015)

 彼女に惚れ込んだジャイルズ・ピーターソンシンバッドが主導してロンドンとハヴァナで録られた処女作『Nueva Era』には、ロバート・ミッチェル(ピアノ)やオリ・サヴィル(パーカッション)、ニール・チャールズ(ベース)ら腕利きが参加。チャントもスキャットも渾然となった神秘性とソウルフルな豊穣の入り交じる絶妙な心地良さ――文字通りの大型新人にとっての、最初の傑作である。

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