インタビュー

小曽根真、自身が参加するデイヴ・ウェックル・アコースティック・バンドのデビュー作を語る 「至福の時間です」

“高校生バンド”みたいに、フル・パワー!
「デイヴ・ウェックル・アコースティック・バンドをやるのは至福の時間です」

(C)Kishin Shinoyama

 

 なんと、デイヴ・ウェックル・アコースティック・バンド(以下、DWAB)のデビュー作『オブ・ザ・セイム・マインド』のプロモーションを、小曽根真がかって出た! 

 「もう笑いっぱなしのバンドで、イヤなムードになったことがない。皆ステージの上でニコニコ笑っているし、楽屋でもキャッキャやっているし、必ず一緒にそろってご飯食べるし。音楽でストレスがないと、バンドってこんなにいいのかと思ったし、こんなバンドがやりたかったんだと思う」とは、この4~5月に21カ所に渡って持たれたDWABの欧州ツアーについての、彼の嬉々とした発言だ。

 技とパワーを併せ持つ百戦錬磨のドラマーであるデイヴ・ウェックル、ジャズからクラシックまで山ほどのリーダー活動を抱える小曽根真(ピアノ、オルガン)、ここではウッド・ベースに専念するトム・ケネディ、そしてテナーとソプラノ・サックスを悠々と吹くゲイリー・ミーク。その4人ががっちりと噛み合ったDWABは、2013年8月のマイク・スターン(ギター)のブルーノート東京公演を発端とする。

 「このバンドは瓢箪から駒みたいなところがある。マイクの日本公演を、デイヴとトムと僕でサポートしたんです。そうしたら、その時のケミストリーが素晴らしくて、じゃあ曲を書いて皆で持ち寄り、バンドをやろうとポンと決まった。それで、デイヴが一番仕切るのがうまいので、じゃあお前リーダーだよとなりました」

THE DAVE WECKL ACOUSTIC BAND オブ・ザ・セイム・マインド ユニバーサル(2015)

 当初は、なんの打算もなく、レコード会社もついていない(事実、『オブ・ザ・セイム・マインド』は当初ウェックルが自主リリースした)、個人の愉しみ追求のためのバンド。アルバムは昨年1月にまず3日間のリハと2日間のライヴを行い、その後LAでスタジオ入りして録音した。

 「それぞれ曲が出来上がると、(PCの)ドロップボックスに入れて、皆で聴き合う。もっとこういう曲がいるなあ、じゃ俺がこういう曲書くねとか、いろいろメールでやりとりした。そして、一度ライヴをやりお客様の洗礼を受けた後に、スタジオに入りました」

 そうして出来上がった音は、勢いに溢れる、親しみやすくもある、やんちゃジャズ。トムはかなりエレクトリック・ベース的な音色で弾きまくり、小曽根はオルガンも随所で用い、JBファンク調曲やハネたシャッフル・ビート曲を提供している。デイヴ・ウェックルは自らのHPでこの音楽性を、“ストレート・アヘッド・ジャズと、少しのファンクやラテンやその他”と説明している。

 「デイヴはやっぱりすごい。彼のドラミングってジャズ屋に言わせると、いろいろな意見があるのだけど、あれだけぶっといファンクを叩けるというのは、素晴らしい。デイヴとトムのコンビネーションがまたすごいんだけど、彼らって高校の時から一緒にやっている。そのトムは滅茶苦茶耳がいい人で、僕がどんなチェンジを入れてもちゃんと付いて来る。そして、ゲイリーもとてつもなく上手いし、ヴォキャブラリーが豊富。そんな3人だから、僕はガチで弾ける」

 メンバーは皆、1960、1961年の生まれであるという。

 「同年代だから同じ物を聴いてきているし、何をやっても大丈夫という絶対的な安心感というのが、この3人にはある。彼らと僕にとって、このバンドをやるのはまさに至福の時間。もう、まるで“高校生バンド”。皆フルパワーでやって、皆ヘトヘトになる。ジャズをやって、ここまで疲れるバンドはない(笑)」

 9月にはこの4人による日本ツアーが、また10月には一転して東京都交響楽団との公演も控えている。

 「10月にやるプロコフィエフ(「ピアノ協奏曲第3番ハ長調OP.26」)は素晴らしい曲だけど、弾くのは大変(笑)。あまりジャズ・ピアニストでやる人はいないんじゃない? 去年の夏に一度弾いたんですが、今暇があればさらっています。そうしないと、弾けなくなってしまうから」

 あぁ素敵かな、振り幅の大きさ、しなやかさ。それを支えるのは、自由な音楽家としての矜持である。

 

LIVE INFORMATION
Dave Weckl & Makoto Ozone
feat. Tom Kennedy, Gary Meek 日本ツアー2015

○9/17(木) 19:00開演 会場:三鷹市公会堂
○9/18(金) 1stステージ開場17:30/開演18:30  2ndステージ開場20:30/開演21:30
○9/19(土) 1stステージ開場15:30/開演16:30  2ndステージ開場18:30/開演19:30
会場:ビルボードライブ大阪

○9/21(月・祝) 19:30開演 会場:金沢・北國新聞赤羽ホール
○9/22(火・祝) 1stステージ開場16:00/開演17:00 2ndステージ開場19:00/開演20:00
会場:名古屋ブルーノート

○9/23(水・祝) 1stステージ開場16:00/開演17:00  2ndステージ開場19:00/開演20:00
○9/24(木) 1stステージ開場17:30/開演19:00   2ndステージ開場20:45/開演21:30
会場:ブルーノート東京

JCB SPECIAL LIVE in Blue Note TOKYO vol.10
○9/25(金) 1stステージ開場17:30/開演19:00 2ndステージ開場20:45/開演21:30
会場:ブルーノート東京

 

Music Program TOKYO
小曽根真×ブランフォード・マルサリス
"Jazz meets Classic" with 東京都交響楽団

○10/24(土) 17:00開演 会場:東京文化会館 大ホール
○10/25(日) 15:00開演 会場:オリンパスホール八王子
出演:エドウィン・ウトウォーター(指揮)
ブランフォード・マルサリス(sax)小曽根真(p)
東京都交響楽団
曲目:バーンスタイン:「オン・ザ・タウン」より“3つのダンス・エピソード”
ジョン・アダムズ:サクソフォン協奏曲(2013)
プロコフィエフ:ピアノ協奏曲第3番 ハ長調 op.26

www.makotoozone.com/

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