インディー好きを魅了する世にも奇妙な音世界
〈インディーR&B〉という言葉もすっかり定着し、食傷気味の方も多いかもしないが、それでもウィアード・ワールドの動きには注目してほしい。2011年にドミノ傘下で設立され、ハウ・トゥ・ドレス・ウェルやヤーコ・エイノ・カレヴィら魅力的なアクトを輩出してきた同レーベルの動きが、ここにきて活発化しているのだ。
このたび晴れてアルバム・デビューを飾ったスライムとシリコンは、いずれもウィアード・ワールドらしいクールな音と強烈なヒネりを併せ持った逸材である。前者はジェシー・ウェアとも仕事してきたウィル・アーチャーの変名で、セラ・スー客演曲などを収めた初作『Company』では、サンプリングの魔術師としての手腕を惜しみなく発揮。
もう一方のシリコンはルーバン・ニールソン(アンノウン・モータル・オーケストラ)の実弟によるユニットだ。『Personal Computer』では生演奏と機械的なヴォーカルを融合し、ダフト・パンクにも通じるソウルフルな音世界を披露。それぞれが近い将来シーンの代表選手として確固たる地位を築くことになりそうなので、いまのうちからチェックを!