HISTORY & DISCOGRAPHIC Maaya Sakamoto
坂本真綾の20年

★96年4月、シングル“約束はいらない”でデビュー

 

坂本真綾 グレープフルーツ flying DOG(1997)

菅野よう子×岩里祐穂コンビの後ろ盾による初作。“I and I”などのグルーヴィーな溌剌アップからは年相応(当時17歳!)の甘い香りが溢れるも、デビュー曲“約束はいらない”や“風が吹く日”での心を射貫くような歌声からは、やはり別格の才能を感じさせる。 *北野

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坂本真綾 DIVE flying DOG(1998)

現地のオーケストラを迎えたUKでのレコーディング曲を含む2作目。モノトーンで統一したアートワークからも伝わるように前作のカラフルさは鳴りを潜め、ざらついた感触のバンド・サウンドに凛々しい歌声と内省的な歌詞が寄り添う、不思議な透明感を湛えた傑作に。 *北野

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★『シングルコレクション+ハチポチ』(flying DOG)

 

坂本真綾 Lucy flying DOG(2001)

アコースティックを基調にグッと華やかさを増した3作目には、真っ直ぐ走り抜けるような恋の歌“マメシバ”などを収録。それを含め全12曲中7曲が本人の作詞で、〈真っ黒な肺から愛を吐きだしてよ〉(“アルカロイド”)といった熱烈な言葉にドキリとなる瞬間も。 *北野

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★2001年のコンセプト・ミニ・アルバム『イージーリスニング』(flying DOG)。エレクトロニックなサウンドが多めのhogプロデュース作品。官能的な浮遊感も滲ませる歌声が描くのは、〈カゴのなかの坂本真綾〉。

★『シングルコレクション+ニコパチ』(flying DOG)

★2003年~2009年、ミュージカル「レ・ミゼラブル」にエポニーヌ役で出演

 

坂本真綾 少年アリス flying DOG(2003)

NHK「みんなのうた」に起用された“うちゅうひこうしのうた”で幕を開ける4作目。勇壮なアレンジを背に高らかと歌い上げる“光あれ”など力強い楽曲も多く、歌の表現力を含め早くも円熟を極めた印象だ。それゆえか、初作から続いた菅野よう子の全曲プロデュース体制はここで幕引きに。 *北野

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★2005年5月、菅野よう子のプロデュースから離れて初のシングル“ループ”(ビクター)をリリース。アイリッシュ・テイストをアクセントにした表題曲の作詞はh'sポルノグラフィティ新藤晴一)、作/編曲はh-wonder

 

坂本真綾 夕凪LOOP flying DOG(2005)

h-wonderや中塚武浜崎貴司ら多彩な作家とのコラボを開始する5作目。4つ打ち基調のアップやボッサ風、壮大なプログレ展開など新味を覗かせつつ、ほとんどが主役の柔軟な表現力を活かしたミッドテンポの曲。鈴木祥子のピアノのみを伴った“NO FEAR/あいすること”が特に沁みる。 *土田

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★2007年のコンセプト・ミニ・アルバム『30minutes night flight』(flying DOG)。山田稔明奥田健介らを迎え、〈眠れない夜に出かける30分の夜間飛行〉をテーマに制作された7曲入り。ジェントルな時間を約束するアレンジはすべて森俊之

 

坂本真綾 かぜよみ flying DOG(2009)

超絶展開をテンションの高い歌唱で乗りこなし、シングル・チャートでは自身最高の3位を奪取した“トライアングラー”や、アニメ「マクロスF」挿入歌のセルフ・カヴァーも含む6作目。多保孝一かの香織ACOらに加え、のちに真綾のライヴでバンマスも担う北川勝利とも本作で初手合わせ。 *土田

 

★2009年1月、初のホール・ツアー〈坂本真綾 LIVE TOUR 2009“かぜよみ”〉開催。のちに「坂本真綾LIVE TOUR 2009 ""WE ARE KAZEYOMI!""」としてDVD化。

★デビュー15周年記念のベスト・アルバム『everywhere』(flying DOG)。表題曲は、真綾が初めて作詞/作曲を手掛けたナンバー。

【参考動画】坂本真綾の2010年作『everywhere』収録曲“everywhere

 

★2010年3月31日、30歳の誕生日に初の日本武道館公演〈坂本真綾 15周年記念LIVE『Gift』〉開催。のちに「坂本真綾15周年記念ライブ ""Gift"" at 日本武道館」としてBD/DVD化。

 

坂本真綾 You can't catch me flying DOG(2011)

デビュー15周年記念の第6弾は、全オリジナル曲に異なる作家を招聘。末光篤スネオヘアー桜井秀俊らの疾走曲やマンフレッド・マンのアレを想起させる“stand up, girls!”などで華やいだ歌唱を聴かせるなか、堀込高樹×冨田恵一のバラードも光る。本作でチャートの初首位を記録。 *土田

 

★2011年3月~6月、全国ツアー〈坂本真綾 LIVE TOUR 2011""You can't catch me""〉開催

2011年のコンセプト・ミニ・アルバム『Driving in the silence』(flying DOG)。ラスマス・フェイバーとの初顔合わせのほか、永野亮APOGEE)や柴草玲江口亮らが提供した全9曲のテーマは〈冬〉。アレンジ/プロデュースはすべて河野伸が担当している。

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【参考動画】坂本真綾の2011年作『Driving in the silence』収録曲“Sayonara Santa”

 

★2011年12月、3枚のコンセプト・ミニ・アルバム『イージーリスニング』『30minutes night flight』『Driving in the silence』を一挙に披露する5デイズ・ライヴを開催。のちに「坂本真綾LIVE 2011 ""in the silence""」としてBD/DVD化。

★2012年~2014年、ミュージカル「ダディ・ロング・レッグズ -足ながおじさんより-」にジルーシャ・アボット役で出演。この演技で〈第38回菊田一夫演劇賞〉を受賞

★2012年11~12月、全国13会場/計15公演の全国ツアー〈坂本真綾 LIVE TOUR 2012「ミツバチ」〉を開催。のちに「坂本真綾 COUNTDOWN LIVE 2012→2013 ~TOUR“ミツバチ”FINAL~」としてBD/DVD化。

 

坂本真綾 シンガーソングライター flying DOG(2013)

自身が全作詞/作曲/プロデュースを担った8作目では、歌い手としての実力のみならず、流麗なメロディーの作り手であることも提示。詞も自然体の軽やかさがあり、人生を音楽に例えた表題曲は特に感動的だ。アップからスロウまで、彼女のフェミニンな魅力を引き立てた河野伸渡辺善太郎によるアレンジも◎。 *土田

 

★2013年3月~4月、東名阪ツアー〈坂本真綾 LIVE TOUR 2013 ""Roots of SSW""〉を開催

 

VARIOUS ARTISTS REQUEST flying DOG(2015)

デビュー20周年記念企画の第1弾は、自身初のトリビュート盤。これまでの〈楽曲提供組〉から、渡辺麻友TRUSTRICKNegiccoらの〈ファン組〉まで多様な顔ぶれが揃うなか、ボカロIAをフィーチャーしたSUGIZOLUNA SEA)や、柔らかなコーラスワークで魅せる新居昭乃が立ち上げる幻想性が印象的だ。 *土田

 

★2015年4月25日、さいたまスーパーアリーナにて〈坂本真綾20周年記念LIVE“FOLLOW ME”〉を開催

★2015年5月30日、広島・嚴島神社にて〈坂本真綾 20th Anniversary Special Live Open Air Museum 2015〉を開催

★デビュー20周年企画の第3弾となる〈坂本真綾 コーネリアス〉名義のシングル『あなたを保つもの/まだうごく』(flying DOG)

【参考動画】坂本真綾 コーネリアスの2015年作シングル『あなたを保つもの/まだうごく』のスポット

 

★2015年9月30日、ニュー・アルバム『FOLLOW ME UP』を発表

★2015年11月25日、4月の公演を収めたライヴBD/DVD「坂本真綾 20周年記念LIVE“FOLLOW ME”at さいたまスーパーアリーナ」を発表。その直前より年を跨ぐ全国ツアー〈坂本真綾 LIVE TOUR 2015-2016 “FOLLOW ME UP”〉を開催予定

 

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