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yuma yamaguchi、坂本真綾×堂島孝平、安田レイ feat. H ZETTRIO、宇多田ヒカル……Mikiki編集部員が今週オススメの邦楽曲

【Mikikiの歌謡日!】第99回

yuma yamaguchi、坂本真綾×堂島孝平、安田レイ feat. H ZETTRIO、宇多田ヒカル……Mikiki編集部員が今週オススメの邦楽曲

Mikiki編集部員とTOWER DOORS担当・小峯崇嗣が最近トキめいた邦楽曲をレコメンドする毎週火曜日更新の週刊連載〈Mikikiの歌謡日!〉。今回は第99回です。紹介した楽曲はSpotifyのプレイリストにもまとめているので、併せてお楽しみください。 *Mikiki編集部

★〈Mikikiの歌謡日!〉記事一覧

Spotifyプレイリスト

 


【鈴木英之介】

yuma yamaguchi “ベガーズオペラ(feat. 七尾旅人)”

2021年4月7日(水)に配信リリースされるニュー・アルバム『NotAnArtist』からの一曲。ピアノがまるでサティのように洗練された和声を奏でる〈静〉の部分と、ジャズやベース・ミュージックなどの溶け合う〈動〉の部分が著しいコントラストをなしているが、七尾旅人の少年性を残した切ない歌声とyuma yamaguchiの透徹した美意識によって、それらが見事に統一されている。これを聴けば4分足らずで、タイトル通りオペラのように濃密な物語世界を体験できるだろう。

 

代代代 “融解”

ミニマル・ミュージック的なフレーズの反復とプログレッシヴ・ロックのように複雑なリズム構造が基調をなす、コンテンポラリーな歌もの。昨年惜しくも解散してしまったsora tob sakanaMaison book girlなど、やはり先鋭的な歌ものを得意とするアイドルとの共通性を強く感じる。インスト・バンドのGecko&Tokage Paradeが鎌野愛をゲスト・ヴォーカルに迎えて初めて挑んだ歌ものナンバー“Polar”などと一緒に聴いても、しっくりくるかもしれない。

 

YMO(Yellow Magic Orchestra)“CUE”

もちろん新曲ではないが、この曲が収録されたYMOの81年作『BGM』が先日Pitchforkの〈Sunday Review〉で取り上げられ、9.2点という高得点をマークしていたので、特別枠として紹介したい。とは言え、ウルトラヴォックスの影響下で高橋幸宏と細野晴臣が作り上げたこの傑作について、いまさら何か新しいことを言えるわけでもないのだが……。とにかく、YMOのキャリアの中で最も先鋭的な傑作である『BGM』(と次作『TECHNODELIC』)にこれから出会える人がうらやましくて仕方ない。

 

【小峯崇嗣】

Haras “2005”

大坂を拠点に活動するベッドルーム・アーティスト、Harasが新作EP『Cogh』をリリース。そこから“2005”をご紹介。勢いのあるビートと交錯する様々なギターのサウンドが織り成す、エモーショナルな展開をする一曲です。ちなみにEPの6曲目“Cogh”は、ミックスとマスタリングをLe makeupが手掛けているのだとか。以前Harasには、TOWER DOORSからメール・インタビュー〈6つの質問〉を投げかけていますので、ぜひそちらもチェックしてみてください。 

 

羽鳥 慶 “Make It Alright”

東京を拠点に活動するシンガー・ソングライター/トラックメイカーの羽鳥 慶が新作『Esc (EP01)』をリリースしました。今作も様々なジャンルを詰め込んだヴァラエティーに富んだ作品に仕上がっています。そのなかでも“Make It Alright”は、浮遊感漂うSci-Fiな電子サウンドに、彼の包み込むような淡い歌声が心地よい一曲。所々でHyperpop的なアプローチをしているのもとても面白いです。彼は〈TOWER DOORSが選ぶ2021年2月のベスト・ニュー・アーティスト〉に選出していますので、ぜひそちらの記事もチェックしてみてください。

 

シャンモニカ “ノスタルジックブルー(feat. bearstape)”

東京を拠点に活動する男女混成4人組バンド、シャンモニカが、福岡の宅録アーティスト、bearstapeをフィーチャリングに迎えた新曲”ノスタルジックブルー”をリリース。煌びやかでドリーミーなシンセと、レトロ感あふれるメロディーの心地良いハーモニーがクセになる、爽やかなインディー・ポップ・ソング。ゆったりと落ち着きのある美しいヴォーカル・ワークに、ついうっとりしてしまいます。

 

【田中亮太】

坂本真綾×堂島孝平 “あなたじゃなければ”

坂本真綾さんが3月17日(水)にリリースするデュエット・アルバム『Duets』。先週から連日リリック・ビデオが公開されていて、いずれも珠玉のポップス~という感じで最高なんですが、個人的にもっとも胸高鳴ったのは堂島孝平さんとのこちら。スタックス・ビートとパワフルなホーン&ストリングスが重なるノーザン・ソウル調のダンス・ナンバーです。これは7インチでほしい! リリック・ビデオの一覧はこちら

 

オカモトショウ “You Need Love”

ピッチが不安定なピアノ・フレーズのループとローファイなダンス・ビートに、狂おしいまでにエモい歌声がのっかる。これはハーキュリーズ・アンド・ラヴ・アフェアへのオカモトショウからのアンサー? OKAMOTO'Sってやっぱりヘンなバンドですね。

 

Belinda May “Lemonade”

名古屋のインディー・ロック・バンドによる新曲。白昼夢を呼び起こすギター・サウンドのなかで、気だるさ漂う男女ヴォーカルが揺らめく。ひたすら心地よくて、何もせずに惰眠をむさぼりたくなってきます(笑)。バンドによると〈My Little Loverへのオマージュ〉が念頭にあったそう。

 

【酒井優考】

安田レイ “Brand New Day feat. H ZETTRIO / THE FIRST TAKE”

安田レイの〈THE FIRST TAKE〉にみんな大好き愉快なトリオが参加! なんて贅沢なコラボ! 原曲から印象がちょっと変わってオシャレでアダルトなサンバ調に進化してますよね。レイさんはもちろん、ブレイクした後のMさん、目をつぶってるNIREさん、スティックを回すKOUさん、それぞれ見どころがあってカッコ良すぎます。

 

とけた電球 “ふたりがいい”

神奈川発の4ピースが映画「NO CALL NO LIFE」とコラボ。この転調マニア垂涎のBメロからのサビよ! かっこいい!

 

BimBamBoom feat. xiangyu “そぼろ弁当”

この曲もBメロよ!(こういうのBメロっていうんでしょうか) お母ちゃんのガミガミうるさい感じと、でも実は愛がこもってる感じと、それでもやっぱり朝ドタバタする感じが曲にも表れてる気がしませんか。お腹空いた。

 

H MOUNTAINS “窓辺dÜチルチル”

3ギター・オルタナ・ロック・バンドの新譜『ピース・ソング・マウンテン』より一番狂ってる曲を。ぶっ壊れかけの廃墟みたいに、建造物としては間違ってるけどめちゃくちゃ居心地がいい空間みたいです。

 

マハラージャン “セーラ☆ムン太郎”

こういうの紹介する人、編集部に他にいないから(笑)。今話題の謎のシンガー・ソングライター、マハラージャン。ふざけた見た目にふざけたジャケ、ふざけた歌詞にふざけたMVだけど、曲はディスコ・ファンクでめちゃカッコいい。それもそのはず、ピアノは皆川真人、ベースはハマ・オカモト、ドラムスは石若駿と鉄壁の布陣。かと思いきやギター・ソロは“Layla”でやっぱりふざけてる(笑)。この曲が表題曲のEP『セーラ☆ムン太郎』で今度メジャー・デビューするらしいです。……今週は豊作で紹介しきれませんでしたが、他にもLanndo feat.bis “vivid a”MONO NO AWARE “そこにあったから”Start A People “セブンスター”Bagus! “同じ月を見ている”河内宙夢 “恋と退屈”小沢健二 “ウルトラマン・ゼンブ”などもオススメしたいです!(紹介したい曲はたくさんあるけど、増えると編集するのが大変! どうしましょう!)エヴァも観てきたし

 

【天野龍太郎】

宇多田ヒカル “One Last Kiss”

「シン・エヴァンゲリオン劇場版」の予告編を見たときから、歌い出しの〈初めてのルーブルは/なんてことはなかったわ〉というフレーズが激キラーだな、と思っていました。で、映画のエンド・クレジットで明らかになったのが、なんと共同プロデューサーがA. G.・クック(A. G. Cook)であること。〈ええっ!?〉ってなりました。そう思って何度も聴くと、ビートやシンセ・ベースや後半に向けて盛り上がっていく電子音の響きに彼のシグネチャーなサウンドを見出すことができます。宇多田ヒカルとA. G.・クック、2人が共同制作した楽曲として聴き込みがいのある一曲です。さらにミュージック・ビデオを庵野秀明が監督しているということで、語るべきポイントが多すぎて……。なお、〈ヱヴァンゲリヲン新劇場版〉シリーズのために宇多田が提供した楽曲をコンパイルしたEP『One Last Kiss』(聴いているだけで、言葉にならない思いがめちゃくちゃこみ上げてきます)は、明日3月10日(水)にCDやLPの3タイプ(今夏リリース予定だという海外盤LPも含めると4タイプ)がリリース。ぜひタワーレコードでお買い求めくださいませ配信リンクはこちら

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