著者によるあとがきの日付は2015年6月。ご本人の「さらなる出発」を約束した結びとなっているが、翌7月、胃がんのため、相倉久人さんは本が店頭に並ぶ前にこの世を去った。心よりご冥福をお祈りします。これまで音楽誌、文芸誌、アルバムのライナーノートなど自身で手がけてきた独自の音楽評論の自選集であり、ジャズやJ-POPまで幅広い見識に触れることができる一冊。エルヴィン・ジョーンズ、山下洋輔、菊地成孔、はっぴいえんど、サザン・オールスターズ、浅川マキ、町田康など、その時代の中で見つめた様々なアーティスト像を伝えている。されど、われらがスイングの日々。