'02年アニコレやムームなどが所属していたFat catよりデビューした日本人として注目を集め、マイブラとメルツバウが邂逅したかの様なサウンドはアンドリュー・ウェザオールからも絶賛されたが、その後表立った活動は無く沈黙した事で伝説的存在と化していた。'12年に突如発表された新作ではeleking誌年間ベストアルバムに選ばれる等またも絶賛された。そして今回の新作ではジャズ的ビートからEDMの姿形を借りた様なサウンドが容赦無いノイズの海に飲まれ、政治やより身近な私小説的な世界が綴られている。その音との乖離がXinlisupremeのフィルターを通す事で、彼から見える世界として異様な程リアリティを持って迫ってくる。
world's end girlfriendの主宰レーベルより、前作から3年を経て発表されたフル・アルバム。唸り、歪み、掻き鳴らされるギターや、叫びにも似た爆音ノイズなど、ざらつくサウンドが強烈な印象を放つが、ときおり奏でられるメロディーの美しさ、その物憂げな響きには思わずハッと心を揺さぶられる。轟音の嵐のなかにも微かな光が広がっていく“Act 2”は今作を代表する一曲。まさに唯一無二という言葉が相応しい衝撃作!